2月24日(木)ママよ、自由に生きなはれ。
朝7時頃に起きてきて、「あんた、疲れてるやろぉ。私の家に来て、ゆっくり休みぃな」。
最近私がバタバタしてるので、親心が湧き出たか…。
「いやいや、今日も仕事あるから、ママはそよ風さんに行ってきぃや。まだ、寝てていいよ」で、二度寝しはる。
8時40分に起きて、服をソファーに並べておいたのに、ジャケットの上にセーターを着てる。
「ちょいちょい、着こなしがへんやわ。順番が違うわ」
「ええねん。これでいいねん」
「そんなん、アンポンタンな子みたいやけど…。ママがいいならいいけど…」
に、“アンポンタンな子”に反応したママ、自分で着替え、朝ご飯を食べずに、管理人室に出かけた。で、この“アンポンタン”は、ママの常套句。昭和の言葉だ。
管理人室に迎えに行くと「これはこれは、お嬢様。お迎えがきたんですか?」で、浅井さんに敬礼して、ご機嫌で出発。
5時すぎに帰ってきて、私がお腹ペコペコだったので、すぐに夕食。
香里園菜園からもらった、たぶん小松菜とアゲ他の煮物、豆腐とエノキとネギのみそ汁、メインは肉厚なカレイの一夜干し。よって、本日は日本酒で…。
で、魚をメインにすると、骨のすみをほじくったりして、食事時間が長くなることに気がついた。
カレイを骨までしゃぶって約2時間、食事に専念している。
よしよし、これからも骨あり魚料理をメインにしよう。
で、食事が終わり、洗いもんをしてもらうと、死者を呼び起こすゾンビトークの魔の時間。
今日は作戦を変えてみる。
「ママリン、亀ちゃんでも、かずえ姉さんで、ゆきさんでも、万吉さんでも、昔の思い出話をしてくれるんやったら聞くわ。私も興味あるから…。でも、死んだん?だけの質問なら、話にならんやん。だって死んでるやもん。だから、昔の思いで話をしてよ」と、提案してみたが、「フフフッ。そんな思い出なんかないわ。話すことなんか、ないんやけどな」。
え〜っっっっ、あんなけ、会いたい、会いたいと言い、寝言でいろいろ悪口を言っているのに、真面目に真摯に話を聞くと言えば、なにもないと言う。
やっぱり、認知症の頭というのは特殊だ。
ママが覚えているのは、思い出でもないのだ。
ただ、感情というもののはけ口でしかない。そのわき上がる感情にピッタリ会うパズルを探しているだけなのだ。そのパズルのピースは、健常者にとって、まずハマることはない。
で、テレビでは動物の可愛い映像をやっていて、二人で「可愛いぃぃ〜」と盛り上がっていたが、
「私は、もし地震があったら、逃げないでここにいるわ。クーとチチとジェフのそばにいる。3匹を連れて逃げるのは大変やから、もぉ、ここにいて、こいつらと運命を共にするねん」
「なんでぇな。この子らはどうにか生きてるわ。逃げたらいいやん」
「でも、地震で怖い思いしてるんやから、そばにいてあげたいわ。怖い、怖いで、震えてる子らをおいては行かれへん。もし、亡くなったりしたら、その後の人生は、辛いだけやもん。一緒に死んだ方がマシやわ」
「良心の呵責って奴やね。あんたがそんなこと言うとは思わへんかったわ」
「良心の呵責って、一般的なそんな単純なもんやないの。悪いけどね。私はママより、猫の方が可愛いわ。ママは、私、私、私の話ばかりしてるから要望を伝えられるけど、猫は言葉もしゃべられへんし、こっちが想像してあげなあかんの。これが分かるのは、世界広しといえ、私だけやの。ママは、しゃべりやから、ここやなくても、自分の要望を話せるから、どうにか生きていけるわ。でも、猫たちは、私やないとアカンの」
「ジェフ、ジェフ。私もジェフのことは可愛がってるやん。ジェフ君、おいでぇ〜」
「だ〜か〜ら〜ぁ。思いついたようにジェフ、ジェフって言ってるけど、ジェフは籐椅子で寝てるし、チチはコタツの中やし、クーはそこにいるし、みんなのことを把握してないやん。ママは気分でジェフのことを可愛がってるだけやん。それなのに、ママのこと大好きなジェフが不憫やわぁ」
「あんたは偉いから、猫のことも全部、分かるんやわ。私はアホやから、そこまで分からへん」
「アホとか偉いの問題とちゃうの。どんなけ他者のことを想像できるかという話やの」
で、日本酒は飽きて、タバコを買うついでに、チューハイを買いに行く。
自分のものだけ買うのは悪いので、ママにはプリンを買って帰る。プリンに大喜びである。
私は、絶対的な自由主義者であり、平等主義者なのである。
私は、認知症という記憶の忘却(理念)というアリ地獄の真ん中に、ママがいるということは分かっていても、“認知症であっても人は自由である”という信念(理念)の元に、行動しているのである。
たぶん、幕末に生きていたら、志士であるし、フランス革命、アメリカ独立運動の地に生きていても志士であろう。ただ、今の日本に生きていて、私の正義は自由の謳歌であり、それをママに押し付けるのである。認知症なのに…。
って、酔っぱらいの観念論であるが、そんなことをママにしゃべりまくる。
酒を飲んだら、こっちの勝ちである。
そんなことをしゃべっていて、9時頃に寝るというママ。
「今日より、明日はもっと楽しいから、安心しておやすみ」と言うと、
「いやっ。今日はあんたのことを考えて寝るわ。いいこと言ってるみたいやけど、ちゃんと考えてみるわ」で、寝はる。
なんか、自分がヒートしたことが、妙に冷める。
だが、これだけは言える。
認知症のママでも、ママの老後の人生については尊重しているのである。
ママよ、自由に生きなはれ。
で、あいこちゃんから電話があり、ぐだぐだとしゃべる。
「あんた、酔っぱらってるやろ」と、バレバレである。
電話を切ると、通話時間が1時間以上。あっと言う間な感じだったのだが…。
不思議の時間感覚
本日の評価:
最近私がバタバタしてるので、親心が湧き出たか…。
「いやいや、今日も仕事あるから、ママはそよ風さんに行ってきぃや。まだ、寝てていいよ」で、二度寝しはる。
8時40分に起きて、服をソファーに並べておいたのに、ジャケットの上にセーターを着てる。
「ちょいちょい、着こなしがへんやわ。順番が違うわ」
「ええねん。これでいいねん」
「そんなん、アンポンタンな子みたいやけど…。ママがいいならいいけど…」
に、“アンポンタンな子”に反応したママ、自分で着替え、朝ご飯を食べずに、管理人室に出かけた。で、この“アンポンタン”は、ママの常套句。昭和の言葉だ。
管理人室に迎えに行くと「これはこれは、お嬢様。お迎えがきたんですか?」で、浅井さんに敬礼して、ご機嫌で出発。
5時すぎに帰ってきて、私がお腹ペコペコだったので、すぐに夕食。
香里園菜園からもらった、たぶん小松菜とアゲ他の煮物、豆腐とエノキとネギのみそ汁、メインは肉厚なカレイの一夜干し。よって、本日は日本酒で…。
で、魚をメインにすると、骨のすみをほじくったりして、食事時間が長くなることに気がついた。
カレイを骨までしゃぶって約2時間、食事に専念している。
よしよし、これからも骨あり魚料理をメインにしよう。
で、食事が終わり、洗いもんをしてもらうと、死者を呼び起こすゾンビトークの魔の時間。
今日は作戦を変えてみる。
「ママリン、亀ちゃんでも、かずえ姉さんで、ゆきさんでも、万吉さんでも、昔の思い出話をしてくれるんやったら聞くわ。私も興味あるから…。でも、死んだん?だけの質問なら、話にならんやん。だって死んでるやもん。だから、昔の思いで話をしてよ」と、提案してみたが、「フフフッ。そんな思い出なんかないわ。話すことなんか、ないんやけどな」。
え〜っっっっ、あんなけ、会いたい、会いたいと言い、寝言でいろいろ悪口を言っているのに、真面目に真摯に話を聞くと言えば、なにもないと言う。
やっぱり、認知症の頭というのは特殊だ。
ママが覚えているのは、思い出でもないのだ。
ただ、感情というもののはけ口でしかない。そのわき上がる感情にピッタリ会うパズルを探しているだけなのだ。そのパズルのピースは、健常者にとって、まずハマることはない。
で、テレビでは動物の可愛い映像をやっていて、二人で「可愛いぃぃ〜」と盛り上がっていたが、
「私は、もし地震があったら、逃げないでここにいるわ。クーとチチとジェフのそばにいる。3匹を連れて逃げるのは大変やから、もぉ、ここにいて、こいつらと運命を共にするねん」
「なんでぇな。この子らはどうにか生きてるわ。逃げたらいいやん」
「でも、地震で怖い思いしてるんやから、そばにいてあげたいわ。怖い、怖いで、震えてる子らをおいては行かれへん。もし、亡くなったりしたら、その後の人生は、辛いだけやもん。一緒に死んだ方がマシやわ」
「良心の呵責って奴やね。あんたがそんなこと言うとは思わへんかったわ」
「良心の呵責って、一般的なそんな単純なもんやないの。悪いけどね。私はママより、猫の方が可愛いわ。ママは、私、私、私の話ばかりしてるから要望を伝えられるけど、猫は言葉もしゃべられへんし、こっちが想像してあげなあかんの。これが分かるのは、世界広しといえ、私だけやの。ママは、しゃべりやから、ここやなくても、自分の要望を話せるから、どうにか生きていけるわ。でも、猫たちは、私やないとアカンの」
「ジェフ、ジェフ。私もジェフのことは可愛がってるやん。ジェフ君、おいでぇ〜」
「だ〜か〜ら〜ぁ。思いついたようにジェフ、ジェフって言ってるけど、ジェフは籐椅子で寝てるし、チチはコタツの中やし、クーはそこにいるし、みんなのことを把握してないやん。ママは気分でジェフのことを可愛がってるだけやん。それなのに、ママのこと大好きなジェフが不憫やわぁ」
「あんたは偉いから、猫のことも全部、分かるんやわ。私はアホやから、そこまで分からへん」
「アホとか偉いの問題とちゃうの。どんなけ他者のことを想像できるかという話やの」
で、日本酒は飽きて、タバコを買うついでに、チューハイを買いに行く。
自分のものだけ買うのは悪いので、ママにはプリンを買って帰る。プリンに大喜びである。
私は、絶対的な自由主義者であり、平等主義者なのである。
私は、認知症という記憶の忘却(理念)というアリ地獄の真ん中に、ママがいるということは分かっていても、“認知症であっても人は自由である”という信念(理念)の元に、行動しているのである。
たぶん、幕末に生きていたら、志士であるし、フランス革命、アメリカ独立運動の地に生きていても志士であろう。ただ、今の日本に生きていて、私の正義は自由の謳歌であり、それをママに押し付けるのである。認知症なのに…。
って、酔っぱらいの観念論であるが、そんなことをママにしゃべりまくる。
酒を飲んだら、こっちの勝ちである。
そんなことをしゃべっていて、9時頃に寝るというママ。
「今日より、明日はもっと楽しいから、安心しておやすみ」と言うと、
「いやっ。今日はあんたのことを考えて寝るわ。いいこと言ってるみたいやけど、ちゃんと考えてみるわ」で、寝はる。
なんか、自分がヒートしたことが、妙に冷める。
だが、これだけは言える。
認知症のママでも、ママの老後の人生については尊重しているのである。
ママよ、自由に生きなはれ。
で、あいこちゃんから電話があり、ぐだぐだとしゃべる。
「あんた、酔っぱらってるやろ」と、バレバレである。
電話を切ると、通話時間が1時間以上。あっと言う間な感じだったのだが…。
不思議の時間感覚
本日の評価:
by asayosan
| 2011-02-24 09:22
| 今日のママリン
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