9月12日(月)月はどっちに出てる、の散歩に付き合わせる。
今日も目覚めた第一声が、「かめちゃんは、どこ行ったん」
死んでると答えると、
「えっ、家に帰ったの。どこに帰ったん。違うの、死んでるの。そしたらかめちゃんと違うわ。かずえさんて人はどこやの。死んでるの。違うわ、え〜と、名前言ってって言われても、名前、忘れたわ。誰やったかなぁ、ここに寝ていたやん。それは、あっこやの。それはあんたやん。あんたと違うって…」。
で、この迷宮の死亡者の消息探しに対し、ガツンと一言で納得する決め文句はないものかと考えているのだが、名案がない。
今日は、「みんな、働いてる」と言ってみる。
みんな働いている、という一般論に対し、ママは会社に行ってるのなら誰も迎えには来てくれない、という思考回路になるのだが…。
「いいや、迎えに来てくれる。ジェフ、一緒に帰ろなぁ。車で迎えに来てくれるからなぁ」。
そよ風さんと勘違いしてるみたいなので、そのままのしておく。
ただ、帰る気でいるので、そのへんの服を全部重ね着していくママ。
全部着込むと、荷物が軽くなるからであるが、一目でヘンな人のファッションである。
歯を磨いてもらい、髪をとかしてもらい、ヘンな着こなしも直してもらい、水だけ飲んで、カバンに私物をパンパンに詰めて、8時半に出て行ったママ。
そよ風さんのお迎えの電話があり、下に行くと管理人室で浅井さんとしゃべっていた。
あんなけプリプリしていたのに、ニコニコである。
浅井さんが、ゆっくりじっくり諭してくれたのだろう、「あこちゃん。これからあんたの言うこときくわ」と、殊勝なことを言う。
で、元気にそよ風さんに出発。
5時過ぎにママが帰ってきて、すぐ夕食にする。
だんだん夕食の時間が早まってきて、6時にはもぅ食べ終わっている昨今。
秋の夜長がさらに長くなそうだが、日が暮れるのも早くなったきたので、秋の夜長の早寝をママにご提案していこう。
で、私がキッチンに立つと退屈して散歩に行ってしまうので、ベランダの水まきを頼む。
「はい。わかった」と、真剣に業務に従事。
何か用事を頼むと嬉しそうなのだが、掃除は嫌い、猫のブラッシングはすぐ飽きる。
出来るのは、洗濯物をたたむのと、食器洗い、テーブルを拭く、水まきぐらいだ。
まっ、これぐらいやって頂けたら上等である。
今日は中秋の名月なので、奮発してオージービーフのステーキ、カボチャとバジルのサラダ、人参ピクルス、ワカメともやしの酢の物。
お肉が固かったおかげか、ママはよく噛み噛みして、品数も多いので、長い時間食事に専念してくれる。
それでも、私が半分も食べてないのに、きれいに完食。さっさと自分の皿を流しに持って行って洗いもんをしている。
後は、私の皿が空くのを待機。
洗いもんだけは、主婦の意地を賭けて、やり遂げたいようだ。
でも、私は飲みながらなので食事は長い。
「なぁ、私の母さんはどこやの。死んでる。墓の中やの。あ〜あ、そしたら生きててもしょうがないな。なんで、私の身内はみんな死んでしまうんやろぉ。あ〜あぁぁぁ」
「お母さんが死んでるのは、ママだけとちゃうの。世界中の親が死んでるの。みんないつかは親に死なれているの。ママだけが可哀想な人やないの。なんで自分だけ、不幸の主人公みたいなこと言うのかなぁ。世界中の人がいつかは死ぬんやから、あきらめなさい。ママだけと違う。みんなそうやの」
ママ、ちょっと黙って聞いていたが、「ちょっと散歩に行ってくるわ」。
6時7分に出て行って、すぐに平野町交番から電話。
交番の中で、ママは一生懸命、パソコン業務のお巡りさんに話しかけている。
ドアを開けると、「あっ、あこちゃん。迎えに来てくれたん。なぁ、もぅ、ずっと、あんたのとこに居ていい。あんたのとこがいいねん」。
「だから、ずっと居てるやん。居たいのに、なんで出ていくのよ。家にいたらいいやん。何のために交番に来たんよ」
「家が、わからんようになったからやん」。
いや、お巡りさんとおしゃべりしに来ているのだ。たぶん。
で、今日は中秋の名月なので、そのまま月見の散歩に行く。
「なぁ、ずっとあんたとこにいていい。あっちの家は怖いんや。ガミガミ言われて、うるさいんよ。ご飯は食べさせてくれるけどな…。食べてから、あんたのとこに来るわ。あんたとこが一番いいわ」。
どうも、ガミガミ言われるけどご飯を食べさせてくれる家と、迎えに来てくれて寝かせてくれる家は違うらしい。
ママの中では、交番に行くことが、あちらの世界とこちらの世界に切り替わるスイッチになっているのかもしれない。
で、大川沿いを歩いてみたが、月は見えず、月がどっちから出るか分からず、京阪モールの屋上から探すことにする。
大川沿いはハデさのないライトアップがそこはとない秋の風情で、ビル街の照明を借景に、ちょっとした別世界である。
しかし、ママはこの暗さが怖い。
「なぁ〜、明るいとこ歩こうなぁ」と言うが、明るいとこを歩いたら、ただの街の散歩である。
京阪モールの屋上でも、「暗い。怖いわぁ。早よ、帰ろ。あんたは都会の子かもしれんけど、私は田舎の子やの。暗いとこはイヤやわぁ」。
月はまだ見つからず、OMMビルが邪魔しているのかと思い、大手前を抜け、大阪城の外周に行ってみる。が、ない。
しかし、大阪城のお堀の城壁のハデさのないライトアップがまさに中世の趣である。
これも絶景。カメラもケータイも忘れてきたのが残念。
南東の公園広場で、関西生命線という団体が、琴や胡弓などの月見のイベントをやっていて、そこの人に月はどっちに出るのか聞く。
東の空に出ているそうだが、雲で隠れているそうで、丁寧に空を指して、銀色に光っているあたりを教えてもらう。
「もうすぐしたら、雲が晴れて見えそうなんですよ」だそうだ。
公園の南西でしばらく見ていると、月の丸い輪郭がボ〜っと浮かび上がってきた。
「ママ、月が見えてきたで。あそこ、あそこやん」
「そんな、月なんか見てもどうってことないやん。みんな普通に歩いてるんやん。空見てるような人なんかおらへんよ。月、月って騒いでるのは、あんただけです。ここは暗いわぁ。襲われるわぁ」
「大丈夫。向かいは大阪府警やから、安全です」
「いやや。帰ろう。ジェフがいなくなったわ」。
で、大手通りを下って家に向かうが、私には、月を探すという明確な目的があったが、ママはいったい何のために歩いていたのか意味不明で、後半は「疲れた、しんどい、家はどこやのん」と文句ばかり言っていた。
全然風情のないママ。ドボンである。
7時40分に帰ってきて、すぐに寝たママ、すぐに寝息。
本日の評価:
本日の家出:1回(平野町交番)
死んでると答えると、
「えっ、家に帰ったの。どこに帰ったん。違うの、死んでるの。そしたらかめちゃんと違うわ。かずえさんて人はどこやの。死んでるの。違うわ、え〜と、名前言ってって言われても、名前、忘れたわ。誰やったかなぁ、ここに寝ていたやん。それは、あっこやの。それはあんたやん。あんたと違うって…」。
で、この迷宮の死亡者の消息探しに対し、ガツンと一言で納得する決め文句はないものかと考えているのだが、名案がない。
今日は、「みんな、働いてる」と言ってみる。
みんな働いている、という一般論に対し、ママは会社に行ってるのなら誰も迎えには来てくれない、という思考回路になるのだが…。
「いいや、迎えに来てくれる。ジェフ、一緒に帰ろなぁ。車で迎えに来てくれるからなぁ」。
そよ風さんと勘違いしてるみたいなので、そのままのしておく。
ただ、帰る気でいるので、そのへんの服を全部重ね着していくママ。
全部着込むと、荷物が軽くなるからであるが、一目でヘンな人のファッションである。
歯を磨いてもらい、髪をとかしてもらい、ヘンな着こなしも直してもらい、水だけ飲んで、カバンに私物をパンパンに詰めて、8時半に出て行ったママ。
そよ風さんのお迎えの電話があり、下に行くと管理人室で浅井さんとしゃべっていた。
あんなけプリプリしていたのに、ニコニコである。
浅井さんが、ゆっくりじっくり諭してくれたのだろう、「あこちゃん。これからあんたの言うこときくわ」と、殊勝なことを言う。
で、元気にそよ風さんに出発。
5時過ぎにママが帰ってきて、すぐ夕食にする。
だんだん夕食の時間が早まってきて、6時にはもぅ食べ終わっている昨今。
秋の夜長がさらに長くなそうだが、日が暮れるのも早くなったきたので、秋の夜長の早寝をママにご提案していこう。
で、私がキッチンに立つと退屈して散歩に行ってしまうので、ベランダの水まきを頼む。
「はい。わかった」と、真剣に業務に従事。
何か用事を頼むと嬉しそうなのだが、掃除は嫌い、猫のブラッシングはすぐ飽きる。
出来るのは、洗濯物をたたむのと、食器洗い、テーブルを拭く、水まきぐらいだ。
まっ、これぐらいやって頂けたら上等である。
今日は中秋の名月なので、奮発してオージービーフのステーキ、カボチャとバジルのサラダ、人参ピクルス、ワカメともやしの酢の物。
お肉が固かったおかげか、ママはよく噛み噛みして、品数も多いので、長い時間食事に専念してくれる。
それでも、私が半分も食べてないのに、きれいに完食。さっさと自分の皿を流しに持って行って洗いもんをしている。
後は、私の皿が空くのを待機。
洗いもんだけは、主婦の意地を賭けて、やり遂げたいようだ。
でも、私は飲みながらなので食事は長い。
「なぁ、私の母さんはどこやの。死んでる。墓の中やの。あ〜あ、そしたら生きててもしょうがないな。なんで、私の身内はみんな死んでしまうんやろぉ。あ〜あぁぁぁ」
「お母さんが死んでるのは、ママだけとちゃうの。世界中の親が死んでるの。みんないつかは親に死なれているの。ママだけが可哀想な人やないの。なんで自分だけ、不幸の主人公みたいなこと言うのかなぁ。世界中の人がいつかは死ぬんやから、あきらめなさい。ママだけと違う。みんなそうやの」
ママ、ちょっと黙って聞いていたが、「ちょっと散歩に行ってくるわ」。
6時7分に出て行って、すぐに平野町交番から電話。
交番の中で、ママは一生懸命、パソコン業務のお巡りさんに話しかけている。
ドアを開けると、「あっ、あこちゃん。迎えに来てくれたん。なぁ、もぅ、ずっと、あんたのとこに居ていい。あんたのとこがいいねん」。
「だから、ずっと居てるやん。居たいのに、なんで出ていくのよ。家にいたらいいやん。何のために交番に来たんよ」
「家が、わからんようになったからやん」。
いや、お巡りさんとおしゃべりしに来ているのだ。たぶん。
で、今日は中秋の名月なので、そのまま月見の散歩に行く。
「なぁ、ずっとあんたとこにいていい。あっちの家は怖いんや。ガミガミ言われて、うるさいんよ。ご飯は食べさせてくれるけどな…。食べてから、あんたのとこに来るわ。あんたとこが一番いいわ」。
どうも、ガミガミ言われるけどご飯を食べさせてくれる家と、迎えに来てくれて寝かせてくれる家は違うらしい。
ママの中では、交番に行くことが、あちらの世界とこちらの世界に切り替わるスイッチになっているのかもしれない。
で、大川沿いを歩いてみたが、月は見えず、月がどっちから出るか分からず、京阪モールの屋上から探すことにする。
大川沿いはハデさのないライトアップがそこはとない秋の風情で、ビル街の照明を借景に、ちょっとした別世界である。
しかし、ママはこの暗さが怖い。
「なぁ〜、明るいとこ歩こうなぁ」と言うが、明るいとこを歩いたら、ただの街の散歩である。
京阪モールの屋上でも、「暗い。怖いわぁ。早よ、帰ろ。あんたは都会の子かもしれんけど、私は田舎の子やの。暗いとこはイヤやわぁ」。
月はまだ見つからず、OMMビルが邪魔しているのかと思い、大手前を抜け、大阪城の外周に行ってみる。が、ない。
しかし、大阪城のお堀の城壁のハデさのないライトアップがまさに中世の趣である。
これも絶景。カメラもケータイも忘れてきたのが残念。
南東の公園広場で、関西生命線という団体が、琴や胡弓などの月見のイベントをやっていて、そこの人に月はどっちに出るのか聞く。
東の空に出ているそうだが、雲で隠れているそうで、丁寧に空を指して、銀色に光っているあたりを教えてもらう。
「もうすぐしたら、雲が晴れて見えそうなんですよ」だそうだ。
公園の南西でしばらく見ていると、月の丸い輪郭がボ〜っと浮かび上がってきた。
「ママ、月が見えてきたで。あそこ、あそこやん」
「そんな、月なんか見てもどうってことないやん。みんな普通に歩いてるんやん。空見てるような人なんかおらへんよ。月、月って騒いでるのは、あんただけです。ここは暗いわぁ。襲われるわぁ」
「大丈夫。向かいは大阪府警やから、安全です」
「いやや。帰ろう。ジェフがいなくなったわ」。
で、大手通りを下って家に向かうが、私には、月を探すという明確な目的があったが、ママはいったい何のために歩いていたのか意味不明で、後半は「疲れた、しんどい、家はどこやのん」と文句ばかり言っていた。
全然風情のないママ。ドボンである。
7時40分に帰ってきて、すぐに寝たママ、すぐに寝息。
本日の評価:
本日の家出:1回(平野町交番)
by asayosan
| 2011-09-12 13:20
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