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ボケリン・ママリンの観察日記

10月4日(火)10時半に曾根崎警察にお迎えだけど、これは私が悪かったぞ。

この日の朝は大変だった。

ママが6時前に起きて、勝手にカゴの中に私物を入れて、パジャマのままで出て行こうとする。
タクシーで帰るから、パジャマのままでもカゴでもいいと言う。

今日はお葬式で受付も頼まれており、ママがそよ風さんに行くのと一緒に出かける予定だったので、ママに朝から行方不明になれらたら大変である。

「出かけるなら、ちょっとカゴを置いて、ちょっと行くとがあるから、一緒に来なさい」と、腕をとって、ちょっと無理矢理に喫茶北浜に行く。

朝、いつも挨拶してくれる掃除のおばちゃんが、ママのわめき散らした悪魔の豹変ぶりを初めて見て、「大変やねぇ」と心配してくれる。

喫茶北浜のドアから、目を吊り上げてるママを見ていた浅井さんと理事長。
「すみません。今日はお葬式に行かなあかんので、ちょっと相手してもらっていいですかぁ」に、「かまへん、かまへん。預かっておくわ」。
で、喫茶店に入り、二人の顔を見たらニコニコに豹変したママ。
やはり、こういう環境とか人が変わる劇的な変化に、気分もスポンと違う世界に行くようだ。

で、家で喪服に着替えたり、珍しく化粧したりしていたら、理事長が部屋までママのいつものカバン(タオルや着替えや連絡賞が入ったもの)を取りに来てくれる。

私の準備が終わって、梨をむいて管理人室に様子を見に行ったら、
「あれ、あっこちゃん、今日は正装して、どこに行くの」と暢気な質問。
「これは喪服でしょうが…。なんや、いやに機嫌がいいやん」。

「あこちゃんに迷惑かけたらアカンって、怒ったたんやけどなぁ。もぅ、ケロッとしてるわ。でも、朝、すごい顔してなたぁ。迎えに来るまで、見てたるから、大丈夫や」ということで、お二人には本当に助かった朝である。

そよ風さんのお迎えが来て、私もそのままお葬式に向かう。

昼すぎに葬儀を終え、なおちゃんと日本橋でご飯でも食べようかと店を探すが、ついついというか必然というか、相生橋の正宗屋に行ってしまう。

ヒラメの薄造り、ポテトサラダ、う巻き、きずし、ドテ焼き、全てが旨いぞ。
なおちゃんは焼酎、私は日本酒で昼から飲みはじめるが、故人をしのぶ会である。

「どう見ても、私たち喪服を来た葬式帰りやのに、こんな昼から女二人で飲んでいていいのでしょうか」となおちゃんがちょっとお店に気を使うが、「黒いスーツの女の人なら、街にたくさんいるやん。大丈夫やて、喪服には見えないて…」と、絶対にリクルートファッションには見えないくせに、気休めを言う。

で、空きっ腹でガンガン飲んだせいか、もぉベロベロになってしまった私たち。
珍しく日本橋で解散し、私はもうタクシーで帰ってしまうほどのベロベロ。

家に帰って、着替えた後は布団で寝てしまうが、何本かの電話で起こされて、ママのお帰りの電話に起こされて、迎えに行って、家に戻って、またママが出かけて、平野町交番に迎えに行って、そして、「今日は、もぉ、寝ようか」と、夕飯も作らずに、ママも無理矢理寝かせてしまう。

早い時間に二人共寝てしまったと思ったいたのに電話が鳴る。
で、曾根崎警察でママが保護されているそうだ。
時計を見ると10時30分である。
いったい、ママは何時に出かけてしまっていたのだろうか。

曾根崎警察は、自転車で迎えに行くにはいいが、歩いて帰るには少し遠い。
まだまだ酔いが回っていたので、タクシーで迎えに行く。

曾根崎警察の安全生活課の椅子にポツンと座っているママ。
梅田駅の駅長室で保護されて、通報してくれたそうで、曾根崎警察に連行されたらしい。

ママはパジャマでカバンも持たずに出かけていたので、電話番号を書いていた衣服や物がなかったが、靴に書いてあったのを見つけてくれたそうだ。

また、ママは自分の名前を言えるので、名前から今までのママの保護歴が警察のスーパーコンピュータにズラ〜っと出てきたそうだ。

「大和郡山警察まで、行ってはるんですね。電車で行ったんかなぁ」
「はい。たぶん。だからお金は持たさないようにしてるんです。タクシーで此花にも行ってしまうんで…」。

と、東警察圏外の警察保護履歴は残っているが、ほぼ毎日の平野町交番と東警察圏内の交番は、迎えに行っても「はいはい、どうぞ、帰ってください」となっているので記録に残らずである。
もし記載されていたら、ママのデータは膨大なものになっているだろうと、そんなことを考える。

警察を出て、酔い冷ましの夜風が気持ちいいので、ちょっとブラブラ歩いてみるが、陸橋を登ろうとすると、「イヤや。登りたくない。階段はイヤや。絶対に登られへん」と、ママが断固拒否。
で、もうタクシーで帰る。

で、すぐにバタンキューで寝ました。

でも、今日は私が悪い。
ちょっと飲み過ぎである。
保護者としての監督責任の放棄である。
これからは、昼から空きっ腹で飲むのは控えよう。

でもなぁ。私が忙しい時ほど、私がママに気が向いてないことを敏感に察知して、悪魔ぶるママ。
お願いだから、今日は大人しく家にいてちょうだいと切望してる日に限って、事件が起る。

私がヒマな時は、ママのしぇべくりに適当な相づちで流せるのだが、頭で違うことを考えはじめると、ママの機嫌は急降下である。
この、こっちの都合とママの気分が反比例するのが、問題である。

が、自分の思惑通りにはいかない、相手がうまく動いてくれない、ということを憂いていては、現代社会は生きていけないという状況でもあるから、ばあちゃん1匹ぐらい、うまく泳がせるぐらいの人ころがしの手腕を上げたいものである。

本日の評価:033.gif022.gif031.gif025.gif001.gif044.gif021.gif007.gif019.gif014.gif
本日の家出:2回(平野町交番、曾根崎警察)



by asayosan | 2011-10-06 12:05 | 今日のママリン

認知症のママリンの日々の暮らし
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