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ボケリン・ママリンの観察日記

11月1日(月)今日はおでんで、お口の記憶を残したいそうだ。

11月1日(月)今日はおでんで、お口の記憶を残したいそうだ。_e0200261_1745528.jpg朝、8時すぎに起きてきて、だいぶ前の残りの海鮮スープのシチューを温めなおす。
昨日の鶏スープより、レベルが違う。スープは魚介が、ベストである。
で、ママリン、スープにトーストを浸けて「おいしいわぁ」で、パクパク食べる。
なかなか通な食べ方をする。
で、8時45分、手持ちぶたさになり、「もぉ、降りとくわ」で、「いってらっしゃい」で1階に降りて行く。
デーサービスのお迎え前に管理人室で、浅井さんとしゃべっていたみたいなママリン「ほんと、あの人は心に染みることを言ってくれるわ。なんか、心が明るくなったわ」で、感無量な様子。
たぶん「あっこちゃんの言うことを、ちゃんと聞きなぁ」と説教されていたのだろう。が、こういうアドバイスを聞いた後のママリンの顔は、なんか晴れ晴れしてるので、本当に心に染みたのだろう。ただし、その時だけなのだが…。

5時すぎ、そよ風さんからご機嫌で帰って来たママリン。
今日は、その足で、歩いて7分の今泉内科に、お薬をもらいに行く。
「あんた、お金あるの。高いのと違うの?」と聞くので、「私のタバコ代に比べたら、ちょろいもんよ」、「ほんまぁ、あんた、タバコ、やめなさい!」で、しまったことを言ってしまった。
途中、また正月と間違えてるみたいで「正月の準備ができてないから、帰るわ。掃除もせなあかんし、料理も作らなあかんし、こんなことしてられへん」と言うので、「今は、11月で、お正月まで、2ヶ月あるから」と説明するのに費やされる。はぁ〜。

今泉内科で待ってる間も「あっこちゃん、正月やのに一人でかわいそうやん。帰るわ」と、言うので私の免許書を見せて「ほらほら、あっこは隣にいる、私やのっ」と説明。
あまりにも寒いので、「今日、おでん、食べにいかへん?」とオファーしてみると「おでんって、何かわからへん」、「こんにゃくや厚揚げや卵を煮たやつやん」と言うと「あ〜、串に刺してるやつか」。
いいやッ、それは、おそ松くんのおでんで、出汁に浮いてるやつよ。

で、診察でも血圧が150あり、「寒くなると、皆さん、血圧が上がるんですよ。血圧は高いのは絶対よくないので、薬を少しだけプラスしましょう」ということになるが、ママリン「正月の準備やらでバタバタしておりましたので、少しは上がってるかと存じますが、大丈夫でございます。自分の体は、一番自分が分かっておりますので、どうか、ご心配なきよう」と、どこのマダムやねん!と思わせる、しゃべりっぷりである。
うちのママ、明らかに目上の人には、そうざんすね、さようでございますか、よろしゅうござんすね、と、変な江戸弁になるのだ。
でも、正月って言ったとこがドボンで、「はいはい。数字はウソをつきませんので、ご自分での判断が一番いけないので、薬はアップしましょうね」で、「それは、それで、よろしゅうございます」。

で、口がおでんで酒になっていた私、近所のはりまやさんに寄る。
はりまやさんの入り口に、こんにゃくやアゲやらを串に刺したおそ松くん的なおでんのディスプレイがあり、「ありゃ、こりゃ,ママリンのアタリだわ」。
で、大根、豆腐、卵、ゴボテン、鰯のつみれをオーダーし、私は冷やが飲みたくなり久々の久保田の千寿(万寿は手が出ない)。うまいぞ、おいしいぞ、久々の日本酒に目が潤む。
ここは、おでんが名物で、薄味なのに味がしみ込んでいる。
「家でもおでんは作れるけど、どうしても濃い味にしてしまうんのよね。この薄味は、店で食べるのが一番やわ」で、「美味しいわぁぁぁ」で、ママリンも感激。
ほんの1杯のつもりだったけど、久保田の千寿で、日本酒ブラボーに火がつき、もう1杯。
鰯のつみれが来て「これは、ママにあげたくないなぁ」で、ママには、厚揚げと卵を追加する。
「ママ、ママ、ちょっと、これ一口飲んでみなさい」と、久保田の千寿を飲ませたら「冷たいっ!」って、そんな感想かいっ、で、お茶、飲んでなさい。

家に帰り「お腹すいてたら、何か作るけどぉ」と聞くと「あの、美味しいおでんの記憶が口に残っているので、そのままにしとくわ」って、しゃれたことを言う。
私は,家にあった普通の日本酒を飲み出したが、普通は普通のアルコールである。
ママが、少し飲ませてとゴクリと飲み干したが、「美味しいわぁ〜」って、さっきの久保田に比べたら、全然落ちるのだけど、こっちの方が美味しいらしい。
せっかく、おでんで食通かと思ったのに、お酒の味でドボンである。
寝る前に、またグラスに2/5ほど残ったのを、一気にゴクリで「美味しいわぁ」。
で、7時40分に、お布団に入る。

しばらくして、「ジェフが、ここのお布団に入ってきたわ。ジェフがいなくても心配せんといてね。ここで、一緒に寝てるから」。
こういう日のママリンは、とっても可愛い。

ところが、夜中に起きたママリン、「あんた、電気をつけなさい。暗くて見えないでしょ。あんたはキツイ人やなぁ。電気、つけてって言ってるでしょ」。
ここは、寝たふり,寝たふり、してたら、パッと電気がつく。
「これで、よろしいぃ。明るくなったわ。ジェフ、ジェフ、お外に行ったらダメです」。
なんか、一人で、ジェフを追いかけ回している。
しばらくして、
「あんた、電気消すとこ、どこにあんの? 明るすぎて、寝られへんでしょ。電気、消すとこ、どこやの!」
ここは、寝たふり,寝たふり、してたら、パッと電気が消える。

そして、何ごともなかったように夜が更ける。めでたし。

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by asayosan | 2010-11-01 19:41 | 今日のママリン

認知症のママリンの日々の暮らし
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