11月8日(火)ママ、とく兵衛で都々逸を披露してパチパチの一席。
ヒェェ〜、今朝も早起きかぁ。
7時に起きたママリン、着替えて帰り支度をして出て行くので同行する。
「あんた、ついてこんでいいっ。あっちに行って。私、帰りますんで…」。
喫茶店でモーニングを食べようと誘って、喫茶北浜に向かうが、嫌そうにノロノロと歩き、ついてこない。
いつものお掃除のおばちゃんが、「おはようございます。どうしたんですかぁ。モーニング食べに行くの。いいなぁ。行っておいでよ。さっ、一緒に行きましょ」と店まで付き合ってくれる。
ママは、「おたくは、優しいですねぇ〜。ウェ〜ン。この子はキツイんです。怖いんです。私につきまとうんです」
「心配してはるんですよ。さっ、行っておいで」。
喫茶北浜にたどり着くまでも大変である。
で、浅井さんと理事長がいつもの席に座っていたので同席。
でも、「あんたら、どなたさんですか? ここはどこなんですか?」の完全なン認知症パターンで、コーヒーも好物のジャムパンも「食べたくないっ」と言い、何回も出て行くのをみんなで引き止めて、どうにかコーヒーだけは飲みはじめる。
私らでしゃべりはじめたら、もぅ限界で出て行き、後をつける。
7時代の北浜は通勤ラッシュで、足早に歩く人並みに飲まれて、どこに行きたいのか目的が定まらないまま、フラフラと歩いて行くママ。
本町通りの会社の花壇に座ってしまったので、コンビニでタバコを買って出てみればいないぞ。
わずか3分で消えたママ。
戻ってケータイを持って、自転車で探す。
たぶん、誰かに警察の場所を聞いていると予測して、東警察署に行ってみると、玄関前でママ発見。
「そよ風さんが迎えに来るから帰ろ」に、「いいや。私は自分の家に帰りたいんです」。
おっと、まだ気分が変わってないようだ。
とにかく家までトボトボ歩くが、「しんどいわぁ。どこまで歩かせるの。あとちょっとって、さっきから、そればっかりやん」。
マンションに着いても「ここで待ってる。あんた、私の通帳と印鑑、返してっ。持ってきてっ」と言うので、「ジェフ君と最後のお別れをしなさい」となだめて部屋に連れて帰る。
9時前に一緒に管理人室に行って、浅井さんにママをみてもらう。
で、ちょうど、そよ風さんのお迎えの電話があり、ママ、お迎えのバンに乗り、朝のママの暴走は一件落着。
でも、昨晩、私がママの気に障ることばっかり言ったので、その記憶が潜在意識の奥で固まりだし、寝起きの不機嫌を増発させたのだろう。
いい夢を見るような、そんな話題を寝る前にしたほうがいいようだ。反省。
朝の暴走をケロッと忘れて帰って来たママ、朝の暴走を覚えている私は、気分転換に外食、いつものとく兵衛に行く。
「なぁ私、濱寿司さんで働こうと思ってるねん。母さんもいるし、あの家で一緒に暮らすわ」と、現実不可能な夢を語り出すママリン。
「濱寿司さんは此花やから、アパートでも借りて働きぃ。母さんは死んでるから、門司に帰って墓守でみしなさい。どっちかひとつにしてちょ」。
「なんでよぉ。私の家、あるやん。ゆきさんもかずえ姉さんもかめちゃもいるやん。えっ、私の家は奈良やの? えっ、あ〜あ、あそこか。あそこはいらんわ。でも、私の荷物はあるんやなぁ。そしたらあそこで暮らそうかなぁ。母さんを呼んだらいいしぃ」。
しばらくは、ママが勝手な老後のプランを語るのを聞き流し、鉄火巻き、鰯の天ぷら、剣イカのお刺身、土瓶蒸し、湯豆腐で熱燗を頂くが、テーブルに料理が並んだとこの写真を撮るのを忘れる。
「なぁ、私、どうしたらいいと思う。あんたの意見を聞かせてよ」と訊ねられ、
「それはママの人生やねんから、ママの好きに決めたらいいやん。でも、ひとつ間違ってるのは、誰と暮らすか、ではないよ。ママには一緒に暮らしてくれる身内はいないの。どこで暮すか、を決めてちょうだい。
関門海峡の海を見て暮らすなら門司、田んぼと寺に囲まれて暮らすなら奈良、都会で美味しいもの食べて過ごすなら大阪やわ」
「それやったら、やっぱり海がいいわ。門司がいいわ」
「そうやな。門司は魚が美味しいし、魚屋さんに行ったら、アジやサバを刺身にしてもらったり、焼き魚や煮魚も売ってるから、ご飯だけ炊いとけばいいもんな。あの門司のアジ、サバは別もんみたいに美味しかったわ。私、今でも夢に見るもん。たまにはうちにテッサでも送ってな」
「そうや。門司は魚が美味しいねん。私はフグが好きやわ。フグの唐揚げは弁当にしてくれてんよ。母さんは料理が上手いから、大丈夫やわ」
「だから〜。ママの母さんが生きてるわけないやん。自分一人で暮らすの。門司はいいよなぁ。関門海峡の景色は、飽きないもんなぁ。ちょっと高台にアパート借りたらいいやん」
「なに言うてるの。ちゃんと家はあります。みんな暮らしてやないの」
「だから〜、家は更地になっているの。こないだ見たやん。写真も撮ってきたから見せよかぁ。まっ、門司に帰ったら、食べ物の不自由はないわ。魚があるもん」。
こんな話をしていたら、隣の席で飲んでいたサラリーマンのおっちゃんが声をかけてきた。
「親子で飲んでるのぉ。いいなぁ。お母さん、いくつ? 84歳。元気やなぁ。うちのお袋は90歳やけど、施設に入れてるねん。詩吟を習ってるんで、月に一度行っては、教えてもらってるんや」
「詩吟なら、ママ上手ですよ。7段やったよね」
「はい。詩吟は大好きです。私の声はガラ声ですけど、腹から声を出すので、詩吟に向いているんです。5段、いただいてます」
と、しばらく詩吟自慢をはじめる。
が、私は詩吟は退屈だ、都々逸の方が面白いと発言すると、ママ、都々逸を一席やらかす。
♪明けの鐘 ごんとなる頃三ケ月型の 櫛が落ちてる四畳半
居酒屋とく兵衛が、一瞬、粋筋の店となり、サラリーマンのおっちゃんたちが全員注目。
隣のおっちゃんらは、拍手。
ママ、上得意。
で、また何曲か唄い、その度に、居酒屋とく兵衛、粋筋の店に…。
音曲とは偉大である。
帰り際、隣のサラリーマンのおっちゃんに、褒められる。
「あんたは偉いなぉ。こんな店にも連れてきてあげてるんやなぁ。こんなことも出来たんやなぁ。うちは施設に入れてしもたけど、月に一度は会いに行ってるねん。お袋から詩吟を習うのが、親孝行と思ってるねん。親孝行してあげてなぁ」
「いえいえ、私が飲みたいから、つき合わせてるだけなんです。親孝行なんかする気もないですから…」
「いや、偉いって。お母さん、楽しそうやわ。がんばりなっ」。
で、一期一会の4人で飲んだおかげで、ママも機嫌よく7時過ぎまでつき合ってくれる。
家に帰ってバタンキューで寝はって、本日のとく兵衛、大成功。
本日の評価:
7時に起きたママリン、着替えて帰り支度をして出て行くので同行する。
「あんた、ついてこんでいいっ。あっちに行って。私、帰りますんで…」。
喫茶店でモーニングを食べようと誘って、喫茶北浜に向かうが、嫌そうにノロノロと歩き、ついてこない。
いつものお掃除のおばちゃんが、「おはようございます。どうしたんですかぁ。モーニング食べに行くの。いいなぁ。行っておいでよ。さっ、一緒に行きましょ」と店まで付き合ってくれる。
ママは、「おたくは、優しいですねぇ〜。ウェ〜ン。この子はキツイんです。怖いんです。私につきまとうんです」
「心配してはるんですよ。さっ、行っておいで」。
喫茶北浜にたどり着くまでも大変である。
で、浅井さんと理事長がいつもの席に座っていたので同席。
でも、「あんたら、どなたさんですか? ここはどこなんですか?」の完全なン認知症パターンで、コーヒーも好物のジャムパンも「食べたくないっ」と言い、何回も出て行くのをみんなで引き止めて、どうにかコーヒーだけは飲みはじめる。
私らでしゃべりはじめたら、もぅ限界で出て行き、後をつける。
7時代の北浜は通勤ラッシュで、足早に歩く人並みに飲まれて、どこに行きたいのか目的が定まらないまま、フラフラと歩いて行くママ。
本町通りの会社の花壇に座ってしまったので、コンビニでタバコを買って出てみればいないぞ。
わずか3分で消えたママ。
戻ってケータイを持って、自転車で探す。
たぶん、誰かに警察の場所を聞いていると予測して、東警察署に行ってみると、玄関前でママ発見。
「そよ風さんが迎えに来るから帰ろ」に、「いいや。私は自分の家に帰りたいんです」。
おっと、まだ気分が変わってないようだ。
とにかく家までトボトボ歩くが、「しんどいわぁ。どこまで歩かせるの。あとちょっとって、さっきから、そればっかりやん」。
マンションに着いても「ここで待ってる。あんた、私の通帳と印鑑、返してっ。持ってきてっ」と言うので、「ジェフ君と最後のお別れをしなさい」となだめて部屋に連れて帰る。
9時前に一緒に管理人室に行って、浅井さんにママをみてもらう。
で、ちょうど、そよ風さんのお迎えの電話があり、ママ、お迎えのバンに乗り、朝のママの暴走は一件落着。
でも、昨晩、私がママの気に障ることばっかり言ったので、その記憶が潜在意識の奥で固まりだし、寝起きの不機嫌を増発させたのだろう。
いい夢を見るような、そんな話題を寝る前にしたほうがいいようだ。反省。
朝の暴走をケロッと忘れて帰って来たママ、朝の暴走を覚えている私は、気分転換に外食、いつものとく兵衛に行く。
「なぁ私、濱寿司さんで働こうと思ってるねん。母さんもいるし、あの家で一緒に暮らすわ」と、現実不可能な夢を語り出すママリン。
「濱寿司さんは此花やから、アパートでも借りて働きぃ。母さんは死んでるから、門司に帰って墓守でみしなさい。どっちかひとつにしてちょ」。
「なんでよぉ。私の家、あるやん。ゆきさんもかずえ姉さんもかめちゃもいるやん。えっ、私の家は奈良やの? えっ、あ〜あ、あそこか。あそこはいらんわ。でも、私の荷物はあるんやなぁ。そしたらあそこで暮らそうかなぁ。母さんを呼んだらいいしぃ」。
しばらくは、ママが勝手な老後のプランを語るのを聞き流し、鉄火巻き、鰯の天ぷら、剣イカのお刺身、土瓶蒸し、湯豆腐で熱燗を頂くが、テーブルに料理が並んだとこの写真を撮るのを忘れる。
「なぁ、私、どうしたらいいと思う。あんたの意見を聞かせてよ」と訊ねられ、
「それはママの人生やねんから、ママの好きに決めたらいいやん。でも、ひとつ間違ってるのは、誰と暮らすか、ではないよ。ママには一緒に暮らしてくれる身内はいないの。どこで暮すか、を決めてちょうだい。
関門海峡の海を見て暮らすなら門司、田んぼと寺に囲まれて暮らすなら奈良、都会で美味しいもの食べて過ごすなら大阪やわ」
「それやったら、やっぱり海がいいわ。門司がいいわ」
「そうやな。門司は魚が美味しいし、魚屋さんに行ったら、アジやサバを刺身にしてもらったり、焼き魚や煮魚も売ってるから、ご飯だけ炊いとけばいいもんな。あの門司のアジ、サバは別もんみたいに美味しかったわ。私、今でも夢に見るもん。たまにはうちにテッサでも送ってな」
「そうや。門司は魚が美味しいねん。私はフグが好きやわ。フグの唐揚げは弁当にしてくれてんよ。母さんは料理が上手いから、大丈夫やわ」
「だから〜。ママの母さんが生きてるわけないやん。自分一人で暮らすの。門司はいいよなぁ。関門海峡の景色は、飽きないもんなぁ。ちょっと高台にアパート借りたらいいやん」
「なに言うてるの。ちゃんと家はあります。みんな暮らしてやないの」
「だから〜、家は更地になっているの。こないだ見たやん。写真も撮ってきたから見せよかぁ。まっ、門司に帰ったら、食べ物の不自由はないわ。魚があるもん」。
こんな話をしていたら、隣の席で飲んでいたサラリーマンのおっちゃんが声をかけてきた。
「親子で飲んでるのぉ。いいなぁ。お母さん、いくつ? 84歳。元気やなぁ。うちのお袋は90歳やけど、施設に入れてるねん。詩吟を習ってるんで、月に一度行っては、教えてもらってるんや」
「詩吟なら、ママ上手ですよ。7段やったよね」
「はい。詩吟は大好きです。私の声はガラ声ですけど、腹から声を出すので、詩吟に向いているんです。5段、いただいてます」
と、しばらく詩吟自慢をはじめる。
が、私は詩吟は退屈だ、都々逸の方が面白いと発言すると、ママ、都々逸を一席やらかす。
♪明けの鐘 ごんとなる頃三ケ月型の 櫛が落ちてる四畳半
居酒屋とく兵衛が、一瞬、粋筋の店となり、サラリーマンのおっちゃんたちが全員注目。
隣のおっちゃんらは、拍手。
ママ、上得意。
で、また何曲か唄い、その度に、居酒屋とく兵衛、粋筋の店に…。
音曲とは偉大である。
帰り際、隣のサラリーマンのおっちゃんに、褒められる。
「あんたは偉いなぉ。こんな店にも連れてきてあげてるんやなぁ。こんなことも出来たんやなぁ。うちは施設に入れてしもたけど、月に一度は会いに行ってるねん。お袋から詩吟を習うのが、親孝行と思ってるねん。親孝行してあげてなぁ」
「いえいえ、私が飲みたいから、つき合わせてるだけなんです。親孝行なんかする気もないですから…」
「いや、偉いって。お母さん、楽しそうやわ。がんばりなっ」。
で、一期一会の4人で飲んだおかげで、ママも機嫌よく7時過ぎまでつき合ってくれる。
家に帰ってバタンキューで寝はって、本日のとく兵衛、大成功。
本日の評価:
by asayosan
| 2011-11-08 14:38
| 今日のママリン
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