2月27日(水)朝から家出して、夜はタクシーの無銭乗車で此花警察署に保護される。
夜中に起きて、玄関のドアをガチャガチャしている。
次にトイレのドアが開く音がして、おしっこの音がして、水が流れる音。
しかし、布団には戻ってこないで、部屋をウロウロしている。
「ジェフ〜、ジェフ君、帰るよぉ」と、ジェフを探しているが、ジェフはママの布団で寝てるわっ。
続いて、「かめちやん、かめちゃんはどこやのぉ。ここはどこやのぉ」と叫びだした。
「ママ、今は夜中やから寝なさいよ。ここはどこって、私の家やん」
「あ〜、あんたの家か。そしたら寝てもかまへんな。どこの家か分からへんようになって、恐ろしいぃなってん。安心したわ」。
目が覚めて、ここがどこか分からない場合、たいていの人間はパニクる。
よってこれは、しかたない。
次は7時前に起きて、部屋をウロウロしてるので、寝たふり。
丸箱を開けてアメチャンを探しているが、「あれ〜、もうないやん。チエッ、ないんかっ。人のものを勝手にとったらあかん。黙って取ったら、泥棒になるわ」とあきらめる。
アメチャンがあったら食べるくせに、とんだ偽善者だわ。
で、ドアをガチャガチャして、私のぞうりを履いて出て行こうとするので、ママのモヘア長靴に履き替えてもらい、「行ってらっしゃい」と見送る。
しばらくして、そよ風さんバックを持って追いかけると、管理人室で浅井さんと理事長としゃべっているママ。
二人が、マンションを出る前に、キャッチしてくれたようだ。ラッキー。
理事長が寝癖だらけのママの髪を手で整えてくれる。
手にツバをペッペとはいて(ふりをして)、二人でママの髪を整髪。
しかし、まだ帰る、帰るというママを、向かいにバルファンに連れて行き、モーニングにする。
ハムサンドを食べると、もうご機嫌のママ。
で、そよ風さんの車が目の前に止まって、普通に出発。
ただし、パジャマのままであるが…トレーナーなので、まっ、いいか。
ここで、ちゃんと服に着替えさせてようと思ったら、ややこしくなる。
横着、万歳。
みゆきちゃんから借りていた『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ダグラス・アダムス著)3部作を読了。
地球人最後の生き残りの主人公は、パジャマにバスローブ姿で、宇宙の彼方でとんでもない出来事にまみれた旅をするのだが、慣れてしまえば、「ハーイ、宇宙人君」てな感じにもなるだろう。
この本のおかげで、ドアがノックされて、「あのぉ、私は実は宇宙人なんですが、銀河の果てに認知症患者様のための徘徊惑星が出来まして、ご説明に伺いました」と、緑色のセールスマンが来たとしても、真面目に話を聞くぐらいの度量が培われた。
毎日毎日ママが語る、死者たちとのおしゃべりを聞いていると、アルバムの中のセピア色の肌をした古風なファッションの今は亡き人たちが、実は普通に暮らしてる…、そんな絵を頭の中で描いてみるようにもなるもんだ。
私も、ママの妄想の影響を受けているようで、誰かと暮らすことは、こういうことか…。
もうママの存在が普通になってしまった同居5年目。
“慣れ”というものに埋没しないよう、“おもしろき こともなき世を おもしろく”展開する企画をせねば…。
で、私のケータイが通じなかったみたいで、加藤さんが9階までママを連れて来てくれる。
それなのに、またエレベータに戻ろうとしているママ、やっぱり悪魔ちゃんモードに入ったのは確かであるようだ。
「ママ、ご飯やから…、とりあえずご飯を食べて、それから考えよう」で、家に入れて、ジェフに子守りを頼んで、すぐに夕食。
下準備はしていたので、カレイの一夜干しのカリカリ焼きのタルタルソース、沖縄もずくと冷や奴の夕食。
ママ、タルタル、かけすぎ。
しっかし、素晴らしい早食いをして、5時55分に出て行きました。
「あっこが待ってるから、もうここにはおられへんのっ。あの子が心配してるのっ」だそうだ。
悪魔ちゃんモードの時は、徘徊時間も長くなるので、後半を一緒に歩くとして、まっ、いいかで、横着かましたところで、7時45分に電話。
あ〜、オ〜ノ〜の此花警察からだった。タクシーコースだ。
8時40分に此花警察の着いたが、タクシーの運転手さんは、お代はいいですと名刺も置かずに立ち去ったそうだ。
オ〜ノ〜、完全な無銭乗車ではないか。
此花警察の方にも、けっこうな顔なママリン、「ありがとうねっ、サンキュー」と手を振る。
そないに、お巡りさんとフランクな挨拶をせんでもで、私は心からの感謝で頭を下げる。
悪魔モードであることは分かっていたのに、後をつけなかった私の横着で、優しい運転手さんはとんだ無駄骨を負わしてしまい、顔も知らない運転手さんにお詫びする。
警察署を後にすると、全く私は悪くなくて、誰かがこんなとこにまで連れて着たとプリプリ怒ってるママ。
頭を冷やしてもらうためにも、中央線の弁天町駅まで歩くことにする。
直線距離ではたいしたことはないのだが、弁天橋を渡るためには結構な階段を登らなくてはならず、ママはこれに怒る。
「あ〜もうっ、あんたとこって、こんな遠かったっけ。こんな遠いんなら、あんたのとこにはもう行きたくないわっ。あ〜、まだやのっ。え〜、また地下鉄に乗るのぉ。なんで、そんな遠いとこまで行かなあかんのよっ」って、あなたがこんなとこまで来たんでしょうと言っても、もうママの記憶はないのである。
この日は綺麗なお月さんで、弁天橋の西の天保山、東に高層ビルの夜景が見える。
なかなかの風景なのだが、歩道に点灯はなく、暗い道にママは怖じ気づく。
弁天町から堺筋本町で乗り換えて、北浜に返ってきたのは10時。
家に近づいてくると、「なぁ、あんたとこのダンナさんはいるの? おらへんの。別れたんかっ。あ〜、よかった。私みたいな前科持ちが行ったら、軽蔑されるとこやったわ」らしい。
警察のお世話になった記憶はあるようである。
で、家に着くと、服のままお布団にジャンプ。
今までねじ伏せていた悪魔ちゃんが、沸々と暴れ出しているようだ。
ただ、この日は中国の大気汚染がひどい日だったらしい。
せっかくの夜の川縁散歩も、健康とは反対の方向に向かっていたのが理不尽である。
本日の評価:
本日の家出:2回(マンション管理人室、此花警察署)
次にトイレのドアが開く音がして、おしっこの音がして、水が流れる音。
しかし、布団には戻ってこないで、部屋をウロウロしている。
「ジェフ〜、ジェフ君、帰るよぉ」と、ジェフを探しているが、ジェフはママの布団で寝てるわっ。
続いて、「かめちやん、かめちゃんはどこやのぉ。ここはどこやのぉ」と叫びだした。
「ママ、今は夜中やから寝なさいよ。ここはどこって、私の家やん」
「あ〜、あんたの家か。そしたら寝てもかまへんな。どこの家か分からへんようになって、恐ろしいぃなってん。安心したわ」。
目が覚めて、ここがどこか分からない場合、たいていの人間はパニクる。
よってこれは、しかたない。
次は7時前に起きて、部屋をウロウロしてるので、寝たふり。
丸箱を開けてアメチャンを探しているが、「あれ〜、もうないやん。チエッ、ないんかっ。人のものを勝手にとったらあかん。黙って取ったら、泥棒になるわ」とあきらめる。
アメチャンがあったら食べるくせに、とんだ偽善者だわ。
で、ドアをガチャガチャして、私のぞうりを履いて出て行こうとするので、ママのモヘア長靴に履き替えてもらい、「行ってらっしゃい」と見送る。
しばらくして、そよ風さんバックを持って追いかけると、管理人室で浅井さんと理事長としゃべっているママ。
二人が、マンションを出る前に、キャッチしてくれたようだ。ラッキー。
理事長が寝癖だらけのママの髪を手で整えてくれる。
手にツバをペッペとはいて(ふりをして)、二人でママの髪を整髪。
しかし、まだ帰る、帰るというママを、向かいにバルファンに連れて行き、モーニングにする。
ハムサンドを食べると、もうご機嫌のママ。
で、そよ風さんの車が目の前に止まって、普通に出発。
ただし、パジャマのままであるが…トレーナーなので、まっ、いいか。
ここで、ちゃんと服に着替えさせてようと思ったら、ややこしくなる。
横着、万歳。
みゆきちゃんから借りていた『銀河ヒッチハイク・ガイド』(ダグラス・アダムス著)3部作を読了。
地球人最後の生き残りの主人公は、パジャマにバスローブ姿で、宇宙の彼方でとんでもない出来事にまみれた旅をするのだが、慣れてしまえば、「ハーイ、宇宙人君」てな感じにもなるだろう。
この本のおかげで、ドアがノックされて、「あのぉ、私は実は宇宙人なんですが、銀河の果てに認知症患者様のための徘徊惑星が出来まして、ご説明に伺いました」と、緑色のセールスマンが来たとしても、真面目に話を聞くぐらいの度量が培われた。
毎日毎日ママが語る、死者たちとのおしゃべりを聞いていると、アルバムの中のセピア色の肌をした古風なファッションの今は亡き人たちが、実は普通に暮らしてる…、そんな絵を頭の中で描いてみるようにもなるもんだ。
私も、ママの妄想の影響を受けているようで、誰かと暮らすことは、こういうことか…。
もうママの存在が普通になってしまった同居5年目。
“慣れ”というものに埋没しないよう、“おもしろき こともなき世を おもしろく”展開する企画をせねば…。
で、私のケータイが通じなかったみたいで、加藤さんが9階までママを連れて来てくれる。
それなのに、またエレベータに戻ろうとしているママ、やっぱり悪魔ちゃんモードに入ったのは確かであるようだ。
「ママ、ご飯やから…、とりあえずご飯を食べて、それから考えよう」で、家に入れて、ジェフに子守りを頼んで、すぐに夕食。
下準備はしていたので、カレイの一夜干しのカリカリ焼きのタルタルソース、沖縄もずくと冷や奴の夕食。
ママ、タルタル、かけすぎ。
しっかし、素晴らしい早食いをして、5時55分に出て行きました。
「あっこが待ってるから、もうここにはおられへんのっ。あの子が心配してるのっ」だそうだ。
悪魔ちゃんモードの時は、徘徊時間も長くなるので、後半を一緒に歩くとして、まっ、いいかで、横着かましたところで、7時45分に電話。
あ〜、オ〜ノ〜の此花警察からだった。タクシーコースだ。
8時40分に此花警察の着いたが、タクシーの運転手さんは、お代はいいですと名刺も置かずに立ち去ったそうだ。
オ〜ノ〜、完全な無銭乗車ではないか。
此花警察の方にも、けっこうな顔なママリン、「ありがとうねっ、サンキュー」と手を振る。
そないに、お巡りさんとフランクな挨拶をせんでもで、私は心からの感謝で頭を下げる。
悪魔モードであることは分かっていたのに、後をつけなかった私の横着で、優しい運転手さんはとんだ無駄骨を負わしてしまい、顔も知らない運転手さんにお詫びする。
警察署を後にすると、全く私は悪くなくて、誰かがこんなとこにまで連れて着たとプリプリ怒ってるママ。
頭を冷やしてもらうためにも、中央線の弁天町駅まで歩くことにする。
直線距離ではたいしたことはないのだが、弁天橋を渡るためには結構な階段を登らなくてはならず、ママはこれに怒る。
「あ〜もうっ、あんたとこって、こんな遠かったっけ。こんな遠いんなら、あんたのとこにはもう行きたくないわっ。あ〜、まだやのっ。え〜、また地下鉄に乗るのぉ。なんで、そんな遠いとこまで行かなあかんのよっ」って、あなたがこんなとこまで来たんでしょうと言っても、もうママの記憶はないのである。
この日は綺麗なお月さんで、弁天橋の西の天保山、東に高層ビルの夜景が見える。
なかなかの風景なのだが、歩道に点灯はなく、暗い道にママは怖じ気づく。
弁天町から堺筋本町で乗り換えて、北浜に返ってきたのは10時。
家に近づいてくると、「なぁ、あんたとこのダンナさんはいるの? おらへんの。別れたんかっ。あ〜、よかった。私みたいな前科持ちが行ったら、軽蔑されるとこやったわ」らしい。
警察のお世話になった記憶はあるようである。
で、家に着くと、服のままお布団にジャンプ。
今までねじ伏せていた悪魔ちゃんが、沸々と暴れ出しているようだ。
ただ、この日は中国の大気汚染がひどい日だったらしい。
せっかくの夜の川縁散歩も、健康とは反対の方向に向かっていたのが理不尽である。
本日の評価:
本日の家出:2回(マンション管理人室、此花警察署)
by asayosan
| 2013-02-27 14:04
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