ボケリン・ママリンの観察日記

10月21日(木)ず〜〜っとしゃべって、出て行く。

5時にデーサービスから帰ってきて、たまたまテレビをつけたら『おかあさんといっしょ』をやっていて、見はじめるママリン。やっぱり頭は、幼稚園レベルなのかもしれない。

が、「母さん、もぉ、亀ちゃんには愛想がつきてん。電話1本もかけてこないし、このへんの薬局に勤めてるんと違うの? 勤めてないの。あの、向こうの家、空き家なんやろ。泥棒、入ってないかな。大丈夫やの」と、いつもの亀ちゃんの悪口。亀ちゃんと暮らしたいという時もあるし、ママにとって亀ちゃんって、何なんだろう。

で、カバンの中から、紙を見つけ、熱心に見ている。
紙は、死んだ人には×マークをつけたうちの家系図で、私がだいぶ前に書いたものだ。が、それを丁寧にたたみ、大事なもん入れのカゴの底に隠した。あまり見たくないもんのようだ。

「あこちゃんどこやの? あんたやの? あこ姉ちゃんは、あんたやの? もう一人いたやん。全然訪ねて来ないで、薄情やなぁ、あの子は。ごはんって、まだお腹すいてないから、もっと後でいいよ。
うちの身内は、もぉ誰もいないの? 誰もいないんやったら、死んだほうがいいなぁ。えっ、心配せんでも、もうすぐお迎えが来るの。待ってたら、来るんやね。ほんなら自然にしとったほうがいいね。私の兄妹はあんただけか? 娘やの? あんたのお父さんの名前は? 正夫さん。浮気した子と違うんやね。娘やから面倒みてくれんやなぁ」と×マーク付き家系図に反応したか。

e0200261_1564519.jpge0200261_157145.jpgママリンに栗をほじってもらい、夕食を作り、ママを呼び「栗ごはん、よそってテーブルにおいて、戻ってきて」と言い、鶏と野菜炒め、白菜とジャガイモの牛乳スープ、お箸、お水のグラス、ビールなどをお運びしてもらう。
そして、ごはんを食べている時は「おいしぃわぁ〜」とご機嫌である。
で、洗いもんもしてくれる。ついでに、お布団も敷いてもらう。
用事を頼むと、うれしそうにテキパキ動く。主婦の本能である。

せっかくパジャマに着替えたのに、また服を着てる。
自分では、パジャマに着替えたつもりらしいが、またホンマモンのパジャマに着替えてもらう。
「で、うちの大阪の親戚は、誰やのん? あんたに気を使って生活するのはもぉ、イヤやわぁ。明日、そよ風さんの帰り、私の家に送ってもらうわ。それは、できないの。なんで、ちょっと寄ってもらうだけやん。2時間もかかるの。帰るんやったら、誰にも迷惑かけんと、電車で帰りって、それが、怖いんや。誰か迎えにきてもらえるよう、頼むわ。頼める人なんてないの。自分の力で帰りって、あんたはきついなぁ。ちょっと、黙っててって、そんなに私が嫌いやったら、呼ばんかったらよかったんや!」。
用事を頼むと喜んでいたと思っていたが、それは気を使っていたようで、気を使ってますアピールをしたいのが主婦魂。そのアピールを認めてもらえずキレるのも主婦気質である。

「だから、ちょっとだけ、黙ってくださいって言ってるの。夜は静かに過ごそうなぁ。ママは、もぉ、ず〜〜〜と、しゃべってるよ。自分のことばかり、ず〜〜っとしゃべって。ちょっとだけ、静かにしようなぁ。夜を楽しみましょ」。
「はい、わかりました。ちょっと、新鮮な空気、吸ってきます」と、7時に外に出て行ったママリン。

自転車で後を追いかけたが、松屋町交差点まで行っても見つからない。
南方向を一周して、谷町まで登り、天満橋交番で「いつも、お世話になってます。おばあちゃん,来てませんか?」と訪ねると、丁度、電話が入っていて、民主党本部前の警邏のお巡りさんに保護されて、家に向ってくれてるそう。
マイドーム大阪の前にいるというので「5分で行きます」と自転車を飛ばす。

ママリン、お巡りさんに付き添ってもらい「たぶん、こっちが家です」と案内してたそうだが、反対方向に歩いている。私の顔を見ると「あっこちゃ〜ん、迷子になってん、ごめんなぁ〜」のパターン。
で、親切な方が、連れてきてくれたそうで、お巡りさん、本当にありがとうございます。

で、帰り道、あんなけお世話になったくせに「なんで私が警察の世話にならなあかんの。なんも悪いことしてないのに、知らん人に、お巡りさんとこに連れていかれてん。ほんま、大阪は、怖いわ」。
絶対に、自分が悪いとは言わないママリンである。

家に帰ると『福祉ネットワーク』をやっていて、シングル女性と母親の介護がテーマだった。
母娘の人間関係というのは、女同士ならではの難しい問題もあるそうだ。
うちの場合は、私がほとんど男なので、ポポンとものを言うし、介護をしてる、世話をしてあげてるという感覚もあまりなく、ただ、その時、その時に起った目の前の問題や出来事に対処してるだけで、よってあまり悩むことはない。
ママは認知症なので、すぐ忘れてくれるという状況を最大限に利用して、ママリンが「あんたなんか、大ッ嫌いや」と言えば、私も「そんなこと言う人は、私も大ッ嫌い」と反撃する。
同じ土壌で発散し、後でママリンがケロッと気分が変われば、私もそれに合わせるのだ。
たぶん、認知症の接し方としては、私はダメダメなんだろうが、私ら母娘には合ってるような気がする。

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# by asayosan | 2010-10-21 17:22 | 今日のママリン

10月20日(水)ママリンから見る『1Q84』。

e0200261_12474743.jpge0200261_13165234.jpg今日は、りえちゃんとワンコのネオ君が遊びにきてくれたので、5時からの早い夕食。
ジャガイモのチーズ乗せ焼きと、キノコのトマトスパゲティで、お土産の上等のワインでチビチビはじめる。
「まぁ、りえちゃん、お久しぶりやねぇ。相変わらずお奇麗でぇ。あっこと比べたら、えらい違いやわ。あの子は、格好気にせんから汚いやろぉ。ほんま、あんな子のお友達でいてくれて、ありがとうねぇ。え〜、30年もお友達やのぉ。まぁまぁ、そんなに歳、とってるの? えっ、49歳? 全然見えへんわぁ、30歳ぐらいに見えるよ(これは、ほんと)。
私も30年ぐらいおつきあいしてる友達がいるけど、こないだも、みんなうちに遊びに来て、ワイワイやったんよ」とマシンガントークを一席ぶつママリン。
「もっと食べって、もぉ、お腹、いっぱいやわ」で、6時すぎに「寝かせてもらうわ」とトレーナーに着替えたが、こりゃ、後で絶対起きて来るはず。

で、すぐに起きて来る。
「あっ、失礼、お客さん、来てはったの。どなたさんでしたっけ。あ〜、りえちゃん。さっきから、ずっとおるって、ほんまにぃ。すんませんねぇ。私、ちょっとここ(頭をさして)が悪いんで、お気に触ったら、ごめんねぇ。で、あっこちゃん、父さんはどこに行っての。死んだん。葬式あげた? あげたん。うちの子供たちは? 子供は親のところって、私の子供たちやん。私の子供がおらんのや。名前わって、あっこと正彦やん。あっこは、あんたか。そやなくて、もう一人おったやん。あの子、かわいそうに、家で一人で待ってるわ。自分の家にいるから、大丈夫って、まだ小さい子やねんよ。あんたは、ひどい子やなぁ。
正彦は? この時間は、働いてるの。あの子はええわ。養子に出したようなもんやから。
私の、父や母も、あの家で、私の帰りを待ってるわ」。

私が、いつものあっさりな返事をしていると、りえちゃんは優しいので、
「おかあさん、ここは、あっこちゃんの家ですから、安心してください。子供はみんな大人になってますよ。お母さん、おいくつですかぁ? だから、お母さんはいくつになられましたかぁ?」
「27歳。いや、72歳かなぁ。えっ82歳やの」
「82歳のお母さんの、父さんやお母さんは、いくつになりますかぁ?」
「100歳、超えてるなぁ。たぶん、死んでるよねぇ。えっ、白骨死体になってるの。お墓の中にいるの? 私は、ひとりぼっちやねんなぁ。寂しいなぁ」
「ママリン、りえちゃんのお父さんも82歳で一人暮らししてるんよ。理事長も82歳で一人暮らしやし、歳をとって一人になるのはママだけやないんやから、それは、しかたないわ」。
「でも、お母さんは、あっこちゃんがいるからいいじゃないですか。安心して寝てください」
「そしたら、ここで、寝てもいいの?」
で「どうぞ、どうぞ、寝てください」。
そしたら、寝るわと、またお布団に入るが、たぶん、また起きてくるだろう。

りえちゃんが優しく話をきいてくれるので、自分が主役になり、すごく居心地よい気分に酔ってきたママリン、大丈夫ですよ、安心してください、楽しいですよね、という心地良い言葉をもっともっと聞きたくて、私らを質問責めにする。
「そんなら、ここにずっと居ていいんやね。明日、そよ風さんやの。そよ風さんに、行っていいの? あ〜よかった。明日、ちゃんと起こしてね。大丈夫って、ほんま大丈夫? あんたらも早く寝なさいよ」と行って、7時すぎ、寝はる。

「おかあさん、そよ風さんって言ったら、絶対に行く、行くって機嫌よくなるね」と、りえちゃん。
そうなのだ。帰る!帰ると言い出しても「そんなら、明日のそよ風さんは、お休みって電話しとくわ」と言うと、「いやっ、そよ風さんには行くわ。あっ、そ〜か。そよ風さんが、迎えぬ来てくれるんやった。帰るのは、次の日にするわ」と、明日への希望となるそよ風さん。

ママリンが寝た後、『1Q84』は、認知症の頭の中をアイデアにしてるのではないかと議論する。こっちの現実とあっちの現実。ママリンの頭の中では、まだ子供たちはちっちゃいままなのだから、それはママリンの中では真実なのだ。
ある程度、ママリンの真実を尊重してあげようと思っているのだが、私の現実はママリンのとは違うので、私はウソを言ったり、ママに合わせたりしない。
こっちの現実とママリンの現実を戦ってもらい、ママリン自身に、真実の落としどころを見つけてもらう、その入り口が、そよ風さんだったり、ジェフだったり、父の位牌だったり、鏡に映るおばあちゃんになった自分の顔であった、お巡りさんを訪ねることだったりする。

そんなことを話しながら、お互い子供のいない私ら、自分らの老後は、いったいどうなるのでしょう。

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# by asayosan | 2010-10-21 14:54 | 今日のママリン

10月19日(火)しっちゃかめっちゃかな夜が更ける。

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今日は、月に一度のケアマネージャー松岡さんの訪問の日。
松岡さんが来ると、なぜか私をほめ殺しにする超ご機嫌なママリン、マシンガントーク炸裂。
「わざわざ、ありがとうございます。え〜、元気にやってます。体は元気なんですが、ここ(頭を指して)が、あかんのです。他は、ぜ〜んぶ、元気です。
でも、この子がいてホント、よかったと思ってるんです。私みたいなもんが来たのに、これしたらダメとか、あれしたらあかんとか、何も、この子は言わないんです。散歩に行くって行っても、すぐ帰ってきいなと、出してくれるんです。好きなようにさせてくれるのが、ほんま、いいんです。
時々、怒られるけど、後はケロッとしてくれるんで、それが、いいんですよねぇ。後をひかへんからねぇ。ホント、この子を生んでて、良かったと思ってるんです」と、涙ぐむ。
こういう、ほめ殺しパターンの時は、自分の話に自分が酔っているのだ。

「私たちも、元気な酒井さんを見ると、ほんとパワーをもらえるんです。ホント、いつまでも、お元気でいてくださいね」の松岡さんの言葉に、さらに、スパークしたママリン。

「父さんが生きてたときは、ほんと、気を使って、あ〜、これを言うたら、また怒られると、自分の口を押さえて生きていたんです。この子と暮らしてからは、何を言ってもいいし、そら、ケンカもしますが、言いたいこ言うて、それを、この子がうまく返してくれるんで、まるで、漫才コンビみたいで、楽しいです。
ほんとのこと言うと、父さんが死んでくれてラッキーかなと。あ〜、こんなこと言うて、明日、罰あたるわ。でもね、ほんと、気楽なんです。父さんと暮らしていた時は、あの人の顔色ばかり見て、なんか私が言うと、しょうもないこと言うな!黙っとれ!って怒られたいたんで、今はホントに自由なんです。ほんと、この子を生んでいてよかったと思ってます」と涙ぐむ。

そんな、話を聞いて、松岡さんは、「ほんと、いい母娘関係ですね。私たち母娘も見本にしたいです」なんて褒めてくれるので、さらにママリン調子にのり、「こんな母娘もあるってことです。でも、この子が、結婚できないのが、私のせいかなと思うと心苦しいんです」。
でも悪いがママリン、私は、君たちの夫婦関係を子供時代に見て育ち、結婚はしないで生きようと、思ったんだよ。心配しなくていいから、あなたたち夫婦は、私の偉大なる反面教師です。
そこんところは、自信を持って生きてください。

で、今日はどうしても生ビールが飲みたくなっていた私、本日は外食、私のお気に入り、とく兵衛に行く。
ここの名物、サバの棒寿司に、ゲソ焼き、トビウオと中マグロの刺身を食べ、私は上機嫌。
ママリンは、ちょっと飲み時間が長くなると機嫌が悪くなり「はよ、帰ろ。ジェフが待ってるわ」。
「でもな、ママリン。このキンキの一夜干し、捕まらなかったら、今も海で泳いでいたんやよ。大人になったら、受精か排卵かして、子孫を残していたかもしれない。でも、こんなに、ちっちゃい子供のキンキは捕まって、裂かれて、干物のされてるの。これを残して帰るなんて、キンキに対して失礼ちゃう? 無駄死になるの。骨以外は、全部食べてあげることで、このキンキの死は、意味あるものになるの」と説教する。
が、「だから、酔っぱらいは、ひつこいから嫌いや」と、別の方向に行くママリン、分かってない。
「そんなことより、私はジェフが心配やねん」と言うママリン、キンキの人生を語っても分かってくれないので、骨までじゃぶりまくったので帰ることにする。

レジでお勘定をしていると、かれこれ私は10年は通っているのに、はじめて大将が「家はこの近所ですかぁ?」と聞いてきた。
「平野町です」「平野町交番の近く?」「そうです。ほん、少し先です」。
てな会話を、ママリンの顔をじっと見ながら言うのである。
平野町交番ってことは、たぶん、ママリンが歩き回っているのを見ているのである。
また、ママリンを知ってる人に出会い、なんか、ほっとする。
この、北浜という都会の真ん中で、ママリンのことを知っている人を増やすこと、これが飲み助の私が、地域とママリンの関係をつなげていく役目でもある。
な〜んて、言ってるが、かれこれ10年、北浜のあちこちで飲み歩いていた自分の習慣を、やめたくない私の欲かもしれない。

で、家に帰ると、またも、帰る!自分の家がいい、と言い出したママリン。
ジェフを捕まえて、さぁ、帰ろかと言うが、ジェフは「イヤだぁ、ばあちゃん。ボクはここがいい」と言う。
「ほらっ、見てみぃってママ。ママみたいな飼い主、猫もいやなわけよ」と私はジェフに加勢。
「いいです。ジェフ、あんた、好きにしたら、いいの。うちの親戚はここだけと違いますっ! 明日になったら、誰かが迎えに来てくれるでしょう。ジェフ、ジェフ、ここにおいで。ママの言うことがきかれへんの?」
「だ〜か〜ら〜、そういうのを、一番、猫は嫌うのよね。ママに猫はムリよ」。
で、「疲れたわぁ。今晩は、ここで寝かせていただきます」と、寝はる。

で、しっちゃかめっちゃかな夜が更ける。

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# by asayosan | 2010-10-19 21:34 | 今日のママリン

10月19日(火)やっぱりお金が心配な朝。

e0200261_12415166.jpgそよ風さんから電話があり、9時頃マンションの1階で迎えのバスを待つ。
うちのマンションは3階まではオフィスなので、通勤の人たちが、皆さん「おはようございます」と声をかけれくれる。
で、ママリンの今日の質問は、
「なぁ、私、どれぐらいお金があんの?」
「まぁ、私の莫大な総資産に比べたら、足下にも及ばんけど、ママもそこそこお金持ちよ」(もちろん冗談よ)
「百万長者ぐらい?」
「もう少し、あるわ」
「億万長者ぐらい?」
「そこまでは、ないわぁ」
「300万円長者ぐらい?」
「もう少し、あるわ」
「70万円長者ぐらい?』
なんで、下がるねん、と、突っ込んだところで、お迎えのバスが来て、元気にデーサービスに向った。

でもなぁ、私が子供の頃、ママに難儀な質問ばかりしていた私。とにかく「なんで?」「どうして?」の質問ばかりしていた。私は雀の口と言われるほど、子供の頃はおしゃべりで、いつもママに「少しは、黙っていなさい!」と怒られていた。
そのことを考えると、ママリンの質問はすべて答えられるもんばかりなので、あっさりと答えてあげよう。
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# by asayosan | 2010-10-19 16:10 | 今日のママリン

10月18日(月)飲食店をしたいママリンの夢、むなしく撃沈。

デーサービスから帰って来たママリン「今日はご機嫌でしたよぉ」とそよ風のラバコさん。彼女も明るくて陽気で、ママリンと仲良し、
家のドアを開けて「ジェフ〜、ジェフ君。おった、おったなぁ〜。チャオ!」
チャオって、あなたは、イタリア人かっ。というか、どこで覚えたのか?

「今日はもぉ、ご飯いらんわ。クッキー、食べたし。うちの親戚って、誰がいるのん。ほとんど、死んでるの。私は、ここがええわ。あんたには、ウイットがあるねん。話がおもろいねん。亀ちゃんなんか、あんたは、あこねえちゃんとこ行ってらええやんって、すぐ追い出すしぃ。まぁ認知症になったこっちが悪いんやから、しゃあないけど。
あんたも、こんなけ広い家に住んでるから、私らみたいなのが、住ませてくれって言ってくるの多いやろう」。
で、中国の反日デモのニュースを見る。水蒸気噴出で一人死亡に「かわいそうにぃ。熱かったろうにぃ。なんで、あんじょうにせぇへんのやろ」と、テレビを見てる。
最近、テレビを見られるようになったのは、すごい進歩だと思う。

「さっ、ご飯作ろうかな」と私
「さっき、食べたやん。あっ、クッキーか。そんなにお腹すいてないから、正式なもんを作らんでもいいよ」。それでは、お言葉に甘えて、正式じゃないご飯を作りましょう。
e0200261_16214144.gifで、非正式な夕ご飯は、焼きなす、厚揚げ焼き、カボチャをチン、きんぴらごぼうと玄米ご飯。
お腹すいてないって言ってたのに、ぜ〜んぶ、完食。
「あんた、店しなさい。あんたの料理は味付けがうまいわぁ。昔、お店、やってたやん。えっ、やったことないのぉ。そんなことないわ。ここで、やってたやん。あれは、友達がきてたん。でも、場所もええし、料理もうまいし、絶対、流行ると思うよ。えっ、飲食は今、大変やの? 大不況やの。これぐらいの料理ではあかんの? 北浜をナメたらあかんの。ほんまぁ〜、お店、半年でつぶれてるのザラやの。へぇ〜、飲食は命がけでやらなあかんの。そぉかなぁ〜、あんたはいけると思うんやけどなぁ。あんたが店したら、私、手伝ってあげるでぇ。お店しなさい」。

e0200261_176193.gif非正式なご飯で、これだけ褒めて頂いて恐縮だが、だいたい、ご飯を食べると、「おいしいわぁ〜」と、ほめ殺しをしてくれるのだ。
また、うちに遊びに来た女友達は「まぁ、なんてお奇麗なお嬢さんやのぉ。見るたびに、お美しくなられますねぇ」と、ほめ殺しにあう。

で、「はい、はい。お茶でも飲みなさい」
「まぁ〜、恐れ入ります。おいしぃ〜。美味しいお茶やなぁ。濃いかったけど、おいしわぁ。あまり飲んだら、寝られなくなるから。明日、春日出に行ってみるわ。亀ちゃんがいるんで、一緒に、お店しよって、言ってみるわ。でも、あの子は、はっきりせん奴やからなぁ。ど〜しよ、ど〜しよって、迷ってばかりいるねん。まっ、私が背中を押してみるわ。あかんかったら、戻ってきていい? いいの。あ〜、よかった。よしっ、明日、歩いて行ってみよ」。

で、洗いもんをして、ちゃぶ台を5回ぐらい拭いてくれて、なんかお店をすることに妙な自信を持ってるようなママリン、
「あんた、本当に、私と一緒に、お店、する気ない?」
「ない」。

「そろそろ、寝なさいよ。明日、そよ風さんが、迎えに来るよ」
「うっそ〜。ここまで来てくれるの。そら、早く寝なあかんわ。でも、明日、着ていく服がないんやけど。あんたが、用意してくれるの? 最新の秋の装いって、そんな服、ないでぇ。あるの。ほんなら、お願いします。そしたら、お先に寝かせてもらいます」で、7時すぎに就寝。

でも、この感じなら、また起きて来るだろう。

やっぱり、起きた。
「明日、どこ行くの? そよ風さん。あんたも行くの? えっ、私だけ? あんたも一緒に行こうなぁ。えっ、認知症の人しか行かれへんの。先生に診察してもらうの。診察やなくて、遊びに行くの? そりゃ、ええわぁ。子供たちの世話、したらええんやね。えっ、子供はいないの。そやけど、遊ばせてくれるの。そりゃ、ええなぁ〜。でも、お金いるやろぉ。いらんの。えっ、国がやってるから1割でいいの。介護保険でやってるの。今までお金払ってるから、行かな損やの。へぇ〜、あんた、なんでも知ってるんやなぁ。そんなん、初めて知ってわ。ほんま、考えられへんわぁ。タダで遊ばせてくれるなんて。私は、嬉しいけどぉ。お茶碗、洗ったかなぁ。(流しを見に行って)オッケー。ほんなら、寝かせてもらうわぁ。ジェフ、ジェフ〜、はよおいで。寝んねこするよぉ。あ〜、うれしいなぁ。でも、先生、私のこと、気に入るかなぁ。はよ、寝なさいって。はい。寝ます。おやすみなさい。明日、起こしてね」。

で、7時40分、就寝。テレビのボリュームを落としたら、ス〜ス〜と寝息が聞こえる。
寝るの、はやっ。
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# by asayosan | 2010-10-18 17:29 | 今日のママリン

10月18日(月)帰るか、帰らないかの選択を自ら決定する。

e0200261_17143276.gif朝起きて、第一声が「なんで、私はここにおらなあかんの?」。
「なんで、自分の家に帰ったらあかんの? 自分の家でなんで暮らしたらあかんの?」。
あ〜、今朝も帰りたい病かぁ。いいよ、帰ってもらいましょう。

「帰っていいよ。夜帰るのは危ないけど、今は朝やから大丈夫。帰る準備しよか。歯磨きして、服着替えてね」と言うと、「なんで、自分の家に帰ったらあかんの?」と言うので、「だから、帰っていいって。歯ブラシも持って帰ってね」。

ジャムトーストとコーヒーの朝ご飯をベランダに置いて「さっ、ママ。朝ご飯の用意ができたので、大阪最後の朝ご飯を、食べてね。大阪の景色もちゃんと見てね」。
食べ終わったママリンに「ジェフ君とも、最後のお別れしときや。ママは、身、ひとつで帰ってね。日本橋までは送ってあげるわ。近鉄電車やったら、わかるよね。荷物は送ってあげるわ。お金ね。いくら欲しいの。銀行から下ろしてきてあげるわ。300万円ね。オーケー、定期解約するけど、いいよね。300万円あれば、一人暮らしも不自由ないわ。ジェフ君、ママリン帰るんやて。最後のお別れしいや」。
ここまで言うと、ママリン、ソファに座り、だんだんしょんぼりしてくる。
吹き出しそうになる。

が、ジェフは連れて帰ると、頑固に言い張るので、猫のバスケットを出して、
「このバスケットに入れて帰り。だけど、ジェフはここが気にいってるから、ママと帰るのは嫌がると思うよ。ジェフがここに入ったら連れて帰っていいけど、嫌がったら、うちの子にするからね」と、子連れ狼の刀か鞠かのような選択を迫る。

ジェフ君を無理矢理抱っこして、バスケットの入れようとするが、そんなとこに入りたくないジェフ君、ジタバタと暴れまくりママリンを突き放し、追いかけても逃げまくり、とうとう2階へ退散。また、吹き出しそうになる。
「ほらね。ジェフは、ママよりうちをとったから、一人でお帰りなさい」。

「あんたは、どう思うの? 私は、帰った方がいいと思うの?」と聞くので、
「それは、ママが決めることやん。ママがしたいようにしたらいい。ずっと、帰りたい、帰りたいって言うから、今日やったら帰っていいよって言ってるやん。ママの夢がかなう日やん。喜びなさい」と言い、ベランダに行き植木の水まきをする。

ベランダにやってきたママリン「あんたは、どっちがいいと思うの? 私が帰った方がいいと思うの?」と聞くので「私やなくて,ママがどうしたいかやの。ママが帰りたいんなら、帰っていいよ。ママは自由やねんから」。
「そんなん、私が自由やのは、分かってます。私は、あんたが、どうして欲しいかを聞いているんです」
「だから、それは、ママの自由やと、言ってるの。自分のことは自分で決めて」
「あんた、きつい子やなぁ。来い来い言うから来たのに、帰ると言うと、いつももめる」
「だから、今日は帰っていいって。早く、ジェフとお別れしときや。もぉ、会われへんかもしれんよ」
「そしたら、私がここにいるって言えば、おっていいの?」
「ここにおりたいなら、おっていいよ。それは、ママの自由やもん」
水をまいて、部屋にもどった私、クーちゃんと遊ぶ。
ママリンも部屋に入ってきて、荷物をボソボソ片付けたりしていたが、急に大きな声で、
「ここに、おる!!!」。プッと心で吹き出す。

「あっ、そう。ええよ。ママが決めたんなら、ここにおってもいいよ」
「あと、3ヶ月だけ、ここにお世話になりますわ」
「オーケー、3ヶ月ね、どうぞ、いてくださいな。そしたらそよ風さん、行く?」
「そよ風さんって何やの? あっ、いつも迎えに来てくれて、ご飯食べさせてくれるとこかぁ。あそこは楽しいねん。行く! 行く!」
で、元気にデーサービスに行ったとさ。

起きて、デーサービスに行くまでの約30分。
感情からくる“帰りたい”願望と、独ぼっちで全てしなければならない“ホンマモンの現実”の狭間で、一生懸命に考えたのだろう。
夢と現実。認知症でも、永久の命題。
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# by asayosan | 2010-10-18 12:18 | 今日のママリン

10月17日(日)ママリン、人に頼りすぎの失敗。目的が決まれば、ただそれを突き進む己を信じるのみ。

さて、興奮の『長崎くんちハイライト』も終わり、テレビは薬師寺の特集となった。

「タバコ、買いに行くけど、一緒に行く?」と誘うと「家で、待ってていい」と言うママリン。
いつもは、絶対について来るのに、たぶん、ちょいお疲れなんだろう。
『長崎くんち』でお祭りは堪能したみたいなので、菊人形を見に行くのは延期にする。

で、薬師寺は、私らにとっては近所の馴染みの寺で、高田好胤さんは正夫さんの同級生でもあった。高田好胤さんは今年十三回忌だそうで、パパも今年が十三回忌。
そんなこんなで、薬師寺と高田好胤さんになんらかの記憶の扉が開いたママリン、テレビの前にロッキングチェアを持ってきて、時々、合掌したり、涙ぐんだり(全然、涙ぐむようなシーンではないのだが)しながら、無言で真剣に見ている。
また、新しい記憶の空白を埋めているようなママリンなので、私は『1Q84』を読むことにしよう。

e0200261_2124615.gifテレビのテーマが薬師寺から興福寺に移ると、みるみる興味をなくし、退屈気になってきたママリン、2時半に、そば1玉を2人前にした野菜たっぷりの焼きそばを食べる。
その後は、テレビへの興味を完全に失い、帰り支度をはじめ、「遅いなぁ。まだ、迎えが来いいひんわぁ」と、誰かが迎えに来てくれるのを待っているようだ。
外に出かけるなら、お着替えしてねで、ノロノロと着替えるが、ほんとはあまり帰りたくないようだ。
3時15分、「ちょっと、電話かけてくるわ」と出かけるが15分で帰ってくる。
が、親切なお姉さんが連れてきてもっらている。道でウロウロしていたらしい。

が、また3時40分に出て行くので、ヤバい予感がしたので、後ろをつけた。
ゴーストタウンの北浜を抜け、松屋町まで行き、人に「警察は、どこですかぁ?」と道を聞いている。が、3メートルしたら、また違う人に道をきいている。最初に聞かれた人は、気ぃが悪いであろう。というか、すれ違う人、みんなに道を聞いている。

だが、松屋町あたりで警察への道を聞くと、平野町交番を教えてくれる人と、東警察を教えてくれる人の二派に分かれる。
よって、これだけ色々な人に道を聞くと、平野町交番派と東警察派の間を、行ったり来たりするはめになるのだ。ママリン、自らドボンへの道だ。
平野町交番のお巡りさんは、私がつけているのを合図(外から手を振り)したので、帰るように即してくれる(ママリン一人の時は、そのまま追い出すことはできないのだ)。

で、また振り出しの平野町交番で私を見つけ、「なんで、こんなしんどい目にあわなあかんのぉ〜。私は、なんも悪いことしてないのにぃ〜」と不機嫌のまま、約1時間の行ったり来たり、ごくろうさんで、5時に帰ってくる。
しッかしっ。しんどい、疲れた、と言いながら、また出て行く。5分で帰ってきたが、また出て行った。
が、たぶん、すぐ帰ってくるだろう、という予測なのだが…。
で、「あこちゃん。今晩泊めてぇ」と5分で帰ってきて、「もぉ、ご飯はいりません」と言い、寝はる。

私も食事を作るのがじゃまくさくなり、クーポンがあったのでピザの出前を頼む。
6時にピザが来て、グラスの音や食べる音もするのに起きてこない。トイレに起きて来たのに「何、食べてるのん?」とノッても来ない。
まぁ、お腹がすいたら、起きて来るだろう。

それにしても『1Q84』は、認知症の頭の中の話のような気がする。
太字になってるセンテンスは、ママリンの常套句、または、私が感じるママリンである。
悪いあっこちゃんと、良いあっこちゃん。その違いは、私的には、分からないのだが…。

で、比較的平和な日曜日が終わると思っていたら、9時に起き出し、“なんで、私がこんなとこにおらなあかんの?”病が出て、またお出かけ。
平野町交番から電話があり、迎えに行くと、いつものお巡りさんほか、婦警さんら3人のおまわりさんがいて、にぎやかに話しているママリン。
「おばあちゃんとは、私は初めて会いましたが、よぉ、しゃべりますなぁ」と豪快に笑うお巡りさん。
「はい。マシンガントークなんです」と答えたが、お巡りさんの前で、マシンガンなんて言って、ちょい軽卒だったが、みんな笑ってくれてので、まっ、いいか。
本日も、平野町交番には、大変お世話になり、本当に感謝である。

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# by asayosan | 2010-10-17 12:49 | 今日のママリン

10月17日(日)『長崎くんち』で見て来たようなホラをふくママリン。

9時にトイレに起きてきたが、「今日は日曜やの。まだ寝てていいの。そんなら、申し少し、寝かせてもらいますわね」とお布団に戻る。
10時に起きて窓の外を見て「あれっ、ここは高松? あれは百十四銀行やなぁ。えっ、大阪やの。北浜? なんで、北浜やの? あっこちゃん、本当のこと言って。ここはどこやの? 大阪のあんたの家? もぉ、2年いるのぉ。あれ〜、いつのまに大阪来たんやろなぁ。あ〜、びっくりするなぁ。ここは大阪の別荘かぁ。まだ寝てていいの? 別に疲れてなんかいないけど。毎日、別荘暮らしやから、疲れることなんかないもん。気持ちいい朝やなぁ。そんなら、もう少し、寝かせてもらうわ。ジェフ、ジェフ君、寝んねしよっ」と、お布団に戻る。

うちは転勤族で、東大阪の長瀬、滋賀県の伊吹、四国の高松、豊中市、大和郡山市と居住地が変わった。
その中で、ママリンは高松が一番気に入っていたようで、うちに来た当初は、北浜のビル群を百十四銀行とよく間違えていた。
当時、高松に高いビルは百十四銀行しかなく、その屋上が展望台になっていて、よく家族で行ったのだが、高いビルを見ると「あれって、百十四銀行やろぉ。ここは、高松やろ」と間違えるのだ。
「あれは、北浜タワー、日本で一番高いマンションやの。あんな高層ビル、高松にあるわけないやん」と説明するが、ママリンはその向こうに見える大阪証券取引場のビルを百十四銀行に見立てているようだ。
たぶん、百十四銀行は、自分が一番楽しかった高松時代に戻りたい、高松時代であって欲しいという願望のシンボル的幻影なのだろう。

で、10時40分、ママリン、起きた。
第一声が「ここ、どこ?」。
「北浜? あこちゃんとこかいな。起きるのって、今、朝やの? ほんなら、もぉ、起きるわ。顔、洗ってくるんやね。うん。わかった。なんか夢見てるみたいなやぁ。あんたさっき、ここ四国やって言ったやん。えっ、北浜やのん。おかしいなぁ」。

「あれ〜、なんも覚えてないわぁ。えっ、それが認知症やの? でも、あんたの顔は覚えてるよ。偉いやんって、あっこちゃんやろ? ここ、どこやの? 北浜。あんたの家やなぁ」

e0200261_205980.gifで、ベランダで、ジャガイモとハムのトーストサンドとコーヒーの朝食を食べるママリン、「気持ちいいとこやなぁ〜。わ〜、おいしいわぁ〜」で、いろいろ忘れてはいるが、“ベランダで食べる朝ご飯は幸せ気分”という感じだけは、思い出してるようだ。

それからBShで『長崎くんちハイライト』を見る。
三番叟を踊る奇麗どころに「あまり、上手くないなぁ。そろってないわぁ。顔は奇麗やけど。衣装も奇麗やけど。こんな祝いの時に踊るんやから、形式ばってないんや。みんな芸者さんやろ。え、花柳流の名取りさんやの。ナンバーワンばかり来てるから、みんが目立とうとするから、そろってないんやわ」となかなか辛辣。

「今年は、晴れてよかったなぁ。去年は小雨やってん。あのおっちゃんが主催者やよ。毎年同じ事やけど、あのおっちゃん、去年も見たわ。(竜宮船を見て)たいがいこれで、一人こけるのに、こけへんなぁ。去年も一人、こけてん。そうかぁ、もぉ、あれから1年かぁ。(今年はじめての演目の新体操を見て)この子ら、上手いでぇ。去年も一番、よかったわ。すごいっ。
私らはテレビで見るけど、近所のおっちゃんらは長崎まで行ってたわ。酒飲みに行くんやよ。一杯飲みに行って、泊まってくるんよ。あっ、これこれ、これは圧巻よ」。
子供が魚の網を投げるシーン、見事に成功すると、「ようやった。よかったなぁ〜。去年の子は、失敗してんよ。かわいそうやったわぁ〜」と涙ぐんでいる。
竜宮船の見せ所、男衆がもろ肌を脱ぐシーンで、私が「なんで、浴衣の下にTシャツ着てるんやろ。裸の方がカッコいいのに」と言うと「そんなん、あんた、みんな入れ墨してるんやから、隠さなあかんやろ」と、したり顔で通なことを言う。
龍踊りでは「そろそろ首が切り落とされるでぇ」と解説してくれるが、それはヤマタノオロチとちゃいますか。
去年も見てきたようにいろいろ私に解説するママリンだが、ほとんど違うやろぉな内容。
でも、今見てるものを、自分の記憶としてどんどん取り込んでいくママリン、思い出話を刻々と創造していく。
前頭葉がほとんど機能してないらしいママリンだが、今、今、その瞬間の脳の空白を埋めていく力は、すごいと思う。

祭りを見終わり、最後にママリン、「でも、西大寺ってそんな大きい寺と違うで。たぶん吉野の方の寺やろぉなぁ」って、今まで『長崎くんち』を見てたんとちゃいますか。
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# by asayosan | 2010-10-17 10:55 | 今日のママリン

10月16日(土)菊人形で、盛り上がる夕餉。

デーサービスから帰ってきて、すぐパジャマのスエット上下に着替えるママリン。
今日は、なんかいい感じで落ち着いている。
デーサービスの陽だまりさんの連絡ノートにも、“ほがらかに唄ったり、みなさんのリーダー格を上機嫌で努めてられました”とあった。
喜 怒 哀 楽の感情の、怒と哀をここ最近でだいぶ発散したので、残るは喜 楽になったようだ。
怒と哀の感情が来た時は、中途半端に穏便になだめるより、その時の感情をよりスパークさせて、燃えつきて灰にした方が、よけいな澱が吹き飛んで、真っ白な感じになるのだ。
昨日までの悪魔ちゃんがウソのように、いい子のママリンになったりして、新たに何かをスタートさせているような気がする。

で、私は洗濯は好きだが、たたむのが嫌いなので、たたむのが好きなママリンにまかせると、丁寧にたたんでくれる。
「私、たたむの嫌いやけど、ママがしてくれるから助かるわ」とお世辞を言うと「そぉ、私、たたむの大好きや」とご機嫌。
植木の水やりを頼むと「たっぷりがいいの?、7歩まきがいいの?、ざっとまくの?」と聞くので「ざっとでいいわ」で、水まきもこなす。
「ジェフたちのブラッシングもしてくれるぅ」と頼むと「よっしゃ」とベランダに出る。

e0200261_15284892.jpge0200261_1654495.gif晩ご飯は、おいしいジャガイモをもらったのでふかして塩とバターをまぶし、なすと厚揚げとブタの炒め物。
食事中も、死んだ人たちや見えない子供たちの話もなく「なす、おいしいぃ」「ブタ肉、やわらか〜い」「ジャガイモ、ホクホクやわぁ」と食事にふさわしい話題をセレクトしてるのも、偉い。
テレビもちゃんと見て、感想なんかも述べている。

「こんなん缶(ビール)を冷蔵庫からとってきて」と頼むと「はいっ」、「洗いもん、してくれるぅ?」と頼むと「オーケー、わかった」とすぐ立ち上がり、仕事をしてくれる。
「今日はよく働いてくれて、ありがとう」と言うと、「私、働くの、好きやから、なんぼでも働くよぉ」と言うので、「オーケー、わかった。女中のように、こき使ってあげるわ」と言うと「ええよ。私は働きもんやもん」と主婦魂を喚起。
ご褒美に「甘いミルクコーヒー、作ろうかぁ?」と聞くと、「飲みたい、飲みたい」と素直に喜ぶので、さらにクッキー3枚を付けてあげる。

で、喜 怒 哀 楽の、喜 楽の感情が盛り上がってきたので、それをさらにレベルアップするために「明日、菊人形、見に行く?」と提案してみると「見たい、見たい。私、菊人形、見たことないから、うれしいわぁ」と喜ぶが、見たことないは、ウソである。
私が子供の頃、あやめ池遊園地の菊人形を、毎年、両親に連れていってもらっていたのであるが、今日、京阪電車の乗ったら、ひらかたパークの菊人形の吊り看板だらけで、菊人形のことを思い出したのだ。

で、菊人形に子供のように反応したママリン、
「よしっと。明日、行こう! ちょっと、心のやすらぎでもしましょうか。そうかぁ、明日、菊人形かぁ。どこにあるのか知ってる? 枚方やの。お金ある? 大丈夫やの。坂本龍馬、してるのぉ。でも、明日、日曜日ならえらい人やろなぁ。それはしかたないか。それでは、明日、菊人形に行って、豊かな気持ちになりましょうか」と、喜 楽のツボに見事にハマってくれたママリン。

「明日、何時に起きたらいいの? そないに早起きせんでんもええの。それでは、もぉ、寝かせてもらうわ。ジェフ君、一緒に寝よか。明日、菊人形、行ってきますので、お留守番しときやぁ。そうか、明日は菊人形か。あ〜、うれし。菊人形なんか、何年ぶりやろ。入場料、高いのと違うの。そんなことないの。菊人形で、豊かな心になりましょうね、ジェフ君。寝んねするよぉ。うれしいなぁ〜」と、お布団に入ったママリン。
今日は,認知症じゃないみたいに、いい感じだ。いや、子供のようで、いい感じだ。

さらに、いい夢を見るように、枕元で、♪明日は、楽しい、菊人形♪♫ 菊人形を見に行こぉ〜♪」と唄ってあげて、ふと見たら、ママリン、マットレスの上に敷いた敷き布団の下で寝ている。
「ママ、ママ、敷き布団を上布団にしてるわ。ちょっと起きて。敷き布団、ちゃんとひくわ」で、最後にボケリンをかましてくれて、8時に寝はる。

本日の評価:041.gif001.gif003.gif003.gif
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# by asayosan | 2010-10-16 19:53 | 今日のママリン

10月16日(土)ママリン、娑婆の出る。

土曜日のデーサービスのお迎えは10時なので、9時半に起こす。
まだ寝ぼけ眼だが、「お迎えに、遅れたらあかん」という昭和女の規則は厳守する意地で、歯を磨き、着替えをする。この身支度が早いのは、ほんと助かる。

e0200261_16581443.gife0200261_15323014.jpg今日は寒いので家の中で朝ご飯。
ニラスープを飲み「このスープ、おいしいわぁ」、アンパンをかじり「この子もおいしいわぁ」、コーヒーを飲み「コーヒーもおいしいわぁ」と、おいしい連発。
そして、「今日は娑婆に出ていけるの?」。
娑婆って、そしたらここは監獄かぁで、「いやいや、娑婆の空気、吸いたいなぁと思って…」。
娑婆という言葉に、私がウケたので、
「最後の娑婆やな。そんなことないか。あと何回かは娑婆に行けるなぁ」と、さらに娑婆を連発。
「大丈夫、ママは、絶対、長生きするわぁ」

「あんた、今日は仕事するの? 昼前に打ち合わせに出るの。ほんなら、私がいないの、丁度いいなぁ。私、帰ってきたら一人やのん? 私が帰る前に、帰ってきてくれるの? あ〜、よかった」
今朝のママリン、ちょっと弱気発言だが、たぶん、4日前の長距離散歩の疲れがじんわり効いてきたのだろう。
いない子供や、死んだ人たちを探す旅にも、そろそろ疲れてきている。
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# by asayosan | 2010-10-16 10:24 | 今日のママリン

認知症のママリンの日々の暮らし
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